大粒の汗を垂らしながら会見するJR西日本東京本部の鈴木副本部長=26日午後9時26分、東京都千代田区、JR西日本東京本部(撮影・永見将人) |
尼崎JR脱線事故の調査をめぐる情報漏えい問題で、JR西日本の鈴木喜也・東京本部副本部長(55)が、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(現・運輸安全委員会)の鉄道部会長だった佐藤泰生元委員(70)と、事故調査報告書の公表前に10回程度会い、調査内容を聞き出そうとしていたことが26日、分かった。鈴木副本部長は、同社の福知山線列車事故対策審議室(室長・土屋隆一郎副社長)から情報収集を要請されたといい、同委への働きかけは組織的な動きだったとみられる。
佐藤元部会長もJR西の山崎正夫前社長に報告書案を手渡した山口浩一元委員と同様、旧国鉄の出身。鈴木副本部長が同日午後9時から東京都千代田区のJR西東京本部で会見し、明らかにした。
説明によると、鈴木副本部長は2006年8月から07年6月の事故調査報告書公表までに、10回程度、東京都内の中華料理店で佐藤元部会長と会った。2人は旧国鉄の構造物設計事務所で共に勤務した間柄。鈴木副本部長側から連絡を取り、財団法人鉄道総合技術研究所に関連する会社の社員も毎回同席したという。
鈴木副本部長は、佐藤元部会長への接触について「(事故対策)審議室からの要請があった」と説明。調査の日程や議論の内容、日勤教育に関する調査などの情報収集が目的だったが、「詳しいことは教えていただけなかった」と述べた。
飲食代は毎回、鈴木副本部長が個人で負担。佐藤元部会長は酒を飲まないため「佐藤さんの飲食分は1000円か2000円程度」という。
会見では「少しでも早く情報を得て、安全対策に生かしたいという気持ちだったが、軽率で不適切な行為だったと反省している」と陳謝。「後ろめたい気持ちはなかったか」との質問には「佐藤さんに迷惑をかけてはいけない、という気持ちはあった」と漏らした。
運輸安全委によると、佐藤元部会長は「JR西側から連絡を取ってきたので、同社の安全対策などを聴くいい機会と思った」と釈明。「最終報告書で明らかになる内容は話さなかった」という。同委は、報告書の作成過程で佐藤元部会長がJR西に有利に働くような言動はしなかったとしている。(磯辺康子)
(2009/09/26)
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