![]() 頭で脳になるよう制御する遺伝子 理研が発見 2002/10/10 理化学研究所の発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の進化再生研究グループ(阿形清和ディレクター)は九日までに、扁形動物のプラナリアを使って、どんな臓器・組織にもなれる「万能細胞」が、頭で脳になるように制御する遺伝子「脳だらけ」を世界で初めて発見した。万能細胞から生物の身体ができていく仕組みを解明する足がかりになるといい、再生医療実現への距離がまた一歩近付いた。英科学雑誌「ネイチャー」最新号に発表された。 プラナリアは体長約一―二センチ。全身にある万能細胞を自在に操るため、身体を切断しても、それぞれの断片がプラナリアに再生する。同グループはこの仕組みを解明することで、万能細胞からさまざまな身体組織・臓器を作り出すための基礎研究を行っている。 今回はプラナリアの脳の形成と遺伝子の関係を調べるため、プラナリアの頭部で特に働く遺伝子三十個に注目。それぞれの遺伝子の機能を壊した三十通りのプラナリアを作ったところ、ある遺伝子を欠いたプラナリアの胴体のあちこちに脳ができた。 阿形ディレクターらはこの遺伝子を「nou―darake遺伝子」と命名。解析の結果、万能細胞が脳になるように刺激する因子を捕まえては頭部に導くことで、頭に脳を作るように働いていることが分かった。 従来、頭に脳ができるのは、脳自身が脳以外のところに脳ができないようにする因子を分泌していると考えられていた。今回の研究で、まったく違う分子システムが働いていることが分かった。 研究グループは今後、万能細胞が脳になるように刺激する因子を見つけるとともに、同じ研究をマウスにも応用し、成果を裏付ける。阿形ディレクターは「将来、ヒトの万能細胞から臓器・組織を再生するとき、頭に胃ができたり、おなかに脳ができたりしないようにするための技術の基礎になる」と話している。 [ 閉じる ]
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