再生医療研究に一役 須磨水族園がウミシダ試験飼育
2003/08/24

 腕を自分で切り、再生させる水生動物ウミシダの仕組みを再生医療につなげる研究に、神戸市立須磨海浜水族園が一役買っている。理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の依頼で、六月から実験用個体の試験飼育を始めた。一般水族園による実験用生物の飼育は全国的にも珍しいといい、二十三日からは一般展示も始まった。(森本尚樹)

 正式名ニッポンウミシダ。ウニなどと同じ棘皮(きょくひ)動物の仲間で、浅い海の底にすみ、シダの茎葉のような三十―四十本の腕を持つ。腕に外敵などの刺激が加わると自分で切り落とし、新たに腕を生やす。

 この再生の仕組みを解明し、ヒトの細胞や組織の再生に役立てる研究に、同センター研修生の柴田朋子さんが取り組んでいる。ウミシダは水槽飼育が難しく、同園に飼育を依頼した。

 六月、東京大臨海実験所(神奈川県)からウミシダの子ども約五十匹を移送。死んだりして半分以下に減ったが、今後も試行錯誤を繰り返しながらデータを蓄積する。一般展示では、研究との関連を説明したパネルも置く。

 同園では秋以降、最も原始的な脊椎(せきつい)動物というホヤの飼育も予定。生殖細胞の形成・分化に遺伝子がどう働くかの研究に利用される。水槽飼育や繁殖の制御法が分かっていないため、成功すれば研究への貢献も大きい。

 佐名川洋之学芸員は「地味な生き物でも、再生医療研究という違った視点から見てもらうことで、展示の社会教育効果も得られる。今後も研究者に講演を依頼するなど、積極的に関係を深めていきたい」と話している。

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