臍帯血の再生医療活用、神戸拠点に研究へ
2003/11/16

 赤ちゃんのへその緒にある臍帯(さいたい)血を再生医療の研究に活用するプロジェクト「研究用幹細胞バンク」が、神戸と東京を拠点に年内にも動き始める。臍帯血には血液のもとになる「造血幹細胞」のほか、さまざまな組織や臓器になる「幹細胞」が含まれている可能性があり、同バンクで保存して研究に利用する計画だ。神戸では医療産業都市構想が進むポートアイランド2期の施設や人材を活用し、事業を支援する。(足立 聡)

 臍帯血を使った医療では、造血幹細胞を取り出して白血病などの患者に移植する「臍帯血移植」があり、現在、「日本さい帯血バンクネットワーク」を通じた提供が進んでいる。ただ、提供された臍帯血の量が少ない場合などは、移植に使えないという課題もある。

 同バンク事業はその使えない臍帯血を研究用に保存し、他の臓器の再生の研究に活用する。最近の研究では、パーキンソン病や脊椎(せきつい)損傷などの難病や生活習慣病を治療できる可能性が指摘されている。

 バンク事業は、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の西川伸一副センター長がリーダーを務める文部科学省の「再生医療の実現化プロジェクト」の一環で進められる。バンクの整備は、東京大医科学研究所の中内啓光教授がけん引する。

 幹細胞は理研バイオリソースセンター(茨城県つくば市)で保存するが、効率よく幹細胞を培養して安定的に供給するための研究は、神戸と東大医科研で進める。神戸は「神戸臨床研究情報センター」と来春完成予定の起業化支援施設「バイオメディカルアクセレレータ」に研究室を設ける。

 臍帯血によってさまざまな組織が再生できる可能性があるため、バンク整備には倫理的な問題の解決も欠かせず、文科省は公開シンポジウムを開いて議論を深める方針。

 西川副センター長は「根治治療には、副作用が起こらないため、人の細胞を使うのが最も有効。倫理的な問題も踏まえ、人の細胞を利用できる仕組みをつくっていきたい」と話している。

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