6.天神縁起絵巻 (三田天満神社) (2004/11/24)

道真の生涯 鮮やかに

菅原道真の生涯が色鮮やかに描かれた絵巻物=天神

 “三田の天神さん”として親しまれる三田天満神社。所蔵する数多い宝物の中でもひときわ貴重とされ、市重要有形文化財に指定されているのが「天神縁起絵巻」だ。全国の天満宮の宝物を集め、大阪などで開かれた「天神さまの美術」展(二〇〇一年)に出品したのをはじめ、展覧会に何度か出している。

 生田実宮司が黒ずんだ木箱を持ってきてくれた。ふたには「天満宮 縁記書傳」の文字。そっと開ける。中には薄い紙に包まれた三本の巻物が並ぶ。しんの部分には天神を示す梅のマーク。白い手袋を着け、少しずつほどく。「しゅるしゅる」という音を立て、色鮮やかな絵がいくつも目の前に広がった。

 小さなころから才覚を表し、右大臣まで出世した菅原道真(八四五―九〇三年)。その後失脚し、九州の大宰府で生涯を閉じた。そんな一生を全三巻にまとめる。

 幅約三十センチ。最長となる中巻の長さは約十三メートルにも及ぶ。平安時代の宮中の様子や弓を射る道真、大宰府での生活…。赤、緑、青など鮮やかな色彩で表現されている。失意のうちに亡くなった道真が怨(おん)霊(りよう)となり、御所に雷を落とす有名な場面もある。ちりばめられた金ぱくの輝きは色あせていない。

 一巻の冒頭にある、少年の道真が父と会う場面などは、ニューヨークのメトロポリタン美術館に展示される著名な「天神絵巻」と、衣の柄からしわまで全く同じ絵だといい、深い関連性が指摘されている。

 展示会や、神社の二十五年に一度の祭りで特別公開されるぐらいで、なかなか市民の目に触れるチャンスは少ない。お披露目される機会を逃さないでほしい。

(吹田 仲)

■  ■

 <メモ> 室町時代に描かれ、天文14(1545)年、この周辺一帯を治めていた豪族、赤松村秀が寄進したとされる。その後何度も修復され、今に伝わる。三田天満神社はJR三田駅や神鉄横山駅からともに徒歩約17分。

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