はりま にぎわい特区  地域再生への挑戦

47.朗読グループ・グループ環(相生市)

(06/04/01)

文化発信へ大声響かす

練習場いっぱいに声を響かせるメンバー=相生市内

 「あめんぼ 赤いな アイウエオ」―。

 発声練習の基本「ういろう売り」を読むメンバーの声が練習場いっぱいに響く。腹式呼吸の張りのある声。読み終えるとくたくたになっておなかを押さえる人も。真剣さが伝わってくる。

 二〇〇四年十月、相生市内の詩の勉強会グループ「遊歩道」のメンバーらが、同市で少女時代を過ごした小説家、佐多稲子さん(一九〇四―九八)の生誕百年を記念するイベントを実施した。佐多さんの小説を朗読し、造船業が盛んだったころの同市の写真をスライドで紹介。メンバーの予想に反し、入場できない人がいるほど盛況だった。

 代表の矢野美穂さんは六年前から相生に住む。「いろんな人に『相生に文化なんてない』っていわれたので、こんなに大勢の人が関心を持ってくれるなんて」と驚きを隠さない。二カ月後、地元の文化を発信するため、矢野さんらがグループを結成。市民一体の活動を目指し、あらためてメンバーを公募。高校生から六十代まで約四十人、幅広い年齢層がそろった。

 現在は今年六月十八日、同市民会館大ホールで開催する朗読劇「翔(と)べ鳥よひとすじの光となって」に照準を絞る。大正期の相生を舞台にした佐多さんのベストセラー小説「裸足(すあし)の娘」を朗読するほか、相生に伝わる獅子舞や小唄などの伝統芸能も披露する。

 スポンサー探しに出演者のスケジュール調整。第一歩を踏み出したばかりで苦労は絶えない。それに加え、指導者によって教え方にばらつきがあるなど、朗読劇自体が発展途上の芸術といっていい。それでも矢野さんは「大勢の地元の人たちが協力してくれる。市民の環(わ)の広がりが実感できる」と笑顔を見せる。

 朗読劇を相生の文化のシンボルに。メンバーは今日も大声を響かせる。

(塩田武士)

「はりまにぎわい特区 地域再生への挑戦」は今回で終わります
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