台風23号 円山川水系  検 証
 
4.ライフライン/電気系統のもろさ露呈   (05/03/20)
浸水した九日市変電所=豊岡市九日市下町(関西電力豊岡営業所提供)

 
 円山川と支流の奈佐川の合流地点にあり、豊岡市街地の下水を一手に処理する同市一日市の市浄化センター。ここも被災を免れなかった。

 二〇〇四年十月二十日夜、職員は奈佐川からの越水に備え、土のうを積む作業に取り組んでいた。

 しかし、円山川側の堤防が長さ約四十五メートルにわたって崩れ、濁流や土砂が流れ込み、ポンプ施設を故障させた。汚水処理ができない状態は、その後四十時間近くも続いた。

 復旧に時間を要したのは、施設を制御する電気系統の修理に時間を費やしたためだった。同市の松下康下水道課長は「円山川の堤防が崩れたのが予想外だった。電気システムが水に弱いことを、あらためて思い知らされた」と話す。

 同市は、施設の復旧などに総額約二十億円の補正予算を計上。電気設備は位置を高くすることにしている。

 直接の被害に遭わなかった上水道も影響を受けた。台風が去った後、家屋や道路の泥を洗い流すため、水道水の需要が通常の約二倍に急増。標高の高い地域で水が出なくなり、阪神間などの自治体から給水車の応援を受けた。

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 但馬一円を管轄する関西電力豊岡営業所によると、約六万七千軒が停電した。二つの変電所が浸水したのが大きな原因だった。

 このうち、出石変電所(出石町福住)は二十日午後八時二十分、出石川の支流、奥山川からの越水で施設内の機器が故障した。九日市変電所(豊岡市九日市下町)でも浸水が始まったため、二十一日午前二時すぎに送電を止めた。電柱の倒壊、流出は百六十カ所にも及んだ。

 台風襲来後、同営業所では、近畿各地から応援に駆けつけた延べ約八百人が復旧工事や戸別訪問に携わった。同営業所は「応援体制づくりにマニュアルを生かせた」とするが「浸水などで作業車が入れない場合の対処などに課題を残した」としている。

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 豊岡市や出石町など但馬各地で携帯電話が不通になり、住民を困らせた。NTTドコモ関西によると、基地局の停電や土砂崩れによる通信ケーブルの切断が大きな原因だった。基地局の大部分は、民家や商業地がある地域に設置されており、「基地局も同時に被災するケースが多い」と実情を語る。

 NTTの一般加入電話も、同市江本の交換機が冠水し、出石町や養父市でケーブルが土砂崩れなどで切断されたことなどで、計二千六百回線がダウンした。

 台風が去った後も、但馬外から安否確認や見舞いなどの電話が殺到し携帯電話などがかかりにくかった。NTT西日本兵庫支店は「災害時には伝言ダイヤル(171)などの使用を」と呼び掛ける。

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 都市ガス、プロパンガスとも、ガス漏れによる事故は一件もなかった。だが、床上浸水した住宅を中心に給湯器の故障が相次ぎ、最長で二週間以上、自宅の風呂を使用できない状態が続いた。プロパンガスボンベの流出もあった。
 県プロパンガス協会但馬支部の三輪正彦支部長は「給湯器を新設する場合には、できるだけ高い位置に取りつけるよう勧めるようにしている」と話す。

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