| 台風23号 円山川水系 検 証 | |||
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台風が但馬地方を襲った二〇〇四年十月二十日、住民らが情報源として頼ったのは、自治体が各家庭に設置した防災無線や有線放送だった。 円山川水系近辺の自治体では、豊岡市、城崎・日高・出石・山東町が無線を導入。養父市、竹野・但東・朝来・生野・和田山町が有線放送を利用している。いずれもほぼ全世帯をカバーする。 今回、威力を発揮したのは防災無線だった。無線機は持ち運びができ、停電時であっても内部の乾電池で動き続けた。ただ、電波状態によっては雑音で放送が聞き取りにくい場合もあった。 一方、有線放送は電話やケーブルテレビの回線を利用するために音質が安定する半面、回線が切れたり停電したりすると、使い物にならなくなってしまう。 山間部の但東町は、中継用アンテナの建設などが必要な無線に比べて安価で済むことから、電話回線の有線放送を採用していた。 だが、今回は、国道426号に埋設した回線が増水した出石川に削られた国道ごと流出。外部との交通が遮断された町南部の高橋地区では、携帯電話以外の情報手段が奪われてしまった。奥田清喜町長は「有線より災害に強い防災無線の導入が必要だった」と話す。 ただ、聴覚障害者は音声が聞こえない。ファクスも停電すれば機能しないため、違った伝達方法の確立が求められる。 ◆ 市町合併後の情報の伝達でも懸念材料が生まれている。 四月に北但一市五町(豊岡市、城崎・竹野・日高・出石・但東町)が合併して誕生する新「豊岡市」。市内全域に向けて放送する場合、現豊岡市の本庁から各総合支所にファクスや電子メールで原稿を送り、支所が旧町の手段で住民向けに放送することになっている。 だが、災害時には誤報など情報の混乱が起きることも予想される。日高町の担当者は「本庁から住民に中継する際に遅れが生じることも考えられる。全域放送は一本化したほうが確実」と指摘する。 一方、同じく四月に誕生する「朝来市」では、現朝来郡内をカバーするケーブルテレビの回線を使用。本庁から直接伝達する。 ◆ 住民向けの情報手段では、ラジオ関西(神戸市中央区)が開発したネットワークシステムを用いた携帯電話向けホームページ「防災ネット」もある。台風直後、豊岡市と養父市が導入した。 緊急時に電子メールで消防団員の携帯電話に出動を要請できるほか、災害現場に急行した自治体職員が携帯電話から情報を更新することも可能だ。各地区の代表者が周辺の被害や避難所の様子などの情報を市役所などに送信できる機能もある。 データを送受信する「パケット通信」は混線の可能性が少なく、通話がしにくい状況でも比較的有効だ。昨年の新潟県中越地震でも安否確認に役立った実績がある。文字を使用しているため、聴覚障害者が情報を得やすいことも利点に挙げられる。 しかし、避難所などから情報を伝えられる双方向性も住民らが使い方を理解しなければ機能しない。また、自治体ではホームページの更新に専念する職員を確保するなどの対応が必要になる。 |
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