| 台風23号 円山川水系 検 証 | |||
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「水害」として語られることの多い台風23号。しかし、但馬地方の朝来町をはじめとする山間部の地域では、強い風雨による風倒木や林地崩壊など、甚大な森林被害も発生した。 朝来町は、養父市、生野町とともに森林災害復旧事業の激甚災害に指定され、但馬内で風倒木の被害が最も大きかった。町内約百四十カ所、のべ三百四十ヘクタールで、被害額は総額六億六千万円に上る。朝来町内の谷に入ると、山の斜面のあちこちで木々が縦横に横たわっているのが見える。 台風襲来時、倒れた木々は、電線などを切り、ライフラインを分断した。朝来町の奥田路や佐中、多々良木など約千九百五十戸で最大三日間にわたって停電。多々良木では、電線にもたれかかった木々が電柱十本以上をなぎ倒し、約三百メートルにわたり道路をふさいだ。 停電したほとんどの世帯では、電話も通じなくなった。森林被害があった現場の多くは深い谷で携帯電話も通じず、一時的に連絡手段が奪われた集落もあった。 ◆ 出石町奥山では、山崩れによって男性が生き埋めになっただけでなく、木々が土砂とともに道路をふさいで救出活動にも大きな支障をきたした。 地元住民らは約三キロ離れた隣の集落に助けを求めるために、約一時間かけて、木々が散乱し路面が削れた道を小走りで急いだ。当時の区長、中島久夫さん(72)は「よくあの道を通っていけたものだ」と振り返る。 また、同町福住では、上流部の林地崩壊などによる流木が出石川支流の奥山川で橋に引っかかり、流れをせき止めたために川が氾濫(はんらん)。付近の約十世帯が浸水する原因になった。 ◆ これらに共通しているのは、スギやヒノキなどの針葉樹が関係している点だ。 針葉樹は、製材しやすいことから、木材が不足した一九六〇年ごろから、大量に植えられるようになった。しかし、海外から安い木材が輸入されるようになると、国産材は売れなくなり、間伐も行われず放置されている山が多くなった。 林業の専門家や学識者でつくる県森林災害復旧対策委員会は、一月にまとめた報告書の中で、風倒木について「被害は約三十―四十年前に植えられた人工林に顕著で、間伐の遅れが被害を拡大させた」と指摘する。 間伐の遅れによる樹木の密集で、高く成長したスギやヒノキは枝や葉などが枯れてしまい、根の広がりも不十分で、風に対して倒れやすくなるという。 林地崩壊について、県豊岡農林振興事務所は「必ずしも針葉樹の人工林が原因とはいえない」とするが、同町奥山でもスギやヒノキが多く植えられていた。 報告書は、きめ細かい間伐を行うとともに、比較的耐風力の強い広葉樹を植樹することを求めている。民家や道路付近には倒れやすい針葉樹を植えないといった工夫が必要だろう。 |
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