| ■作り方 |
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昆布とカツオのだしに、塩、みりん、薄口しょうゆを適量加える。沸騰したら海藤花を入れ、卵が膨れて真っ白になったら火を止める。好みでネギや三つ葉を浮かべる。
豆腐や麩(ふ)を入れてもよい。
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| タコつぼを海から引き揚げる漁師=二見港沖 |
海藤花(かいとうげ)という美しい名で呼ばれるタコの卵。長さ六―十センチの房に約五百三十粒が連なる。タコつぼや岩場に産み付けられ、垂れ下がった姿が藤の花に似ているとして、江戸時代に明石藩の儒者、梁田蛻巌(やなだぜいがん)が名付けた。広辞苑には「明石の名産」と記載されている。
市内でも、二見町では「カイトウカ」、林崎では「ヘリコ」という。呼び名の多彩さに、タコと明石の深い関係が読み取れる。
吸い物に入れるのが一般的な食べ方。かむとプチプチプチと卵がはじけ、口の中いっぱいに潮の香りが広がる。タコの産卵は八月下旬から九月に限られるため流通量が少なく、昔から高級な珍味とされた。東二見地域の漁師らは、タコつぼ漁が盛んだった五十年前ごろまで、塩漬けの海藤花を大阪や京都の料亭に売っていた。漁師にとってはよい小遣い稼ぎになった。
東二見漁協の漁師、中村勝行さん(63)は「子どものころから、新鮮な海藤花は三杯酢で食べる。高級品だと言われていたが、漁師にとっては身近な味」と話す。
約四十年前から市内ではノリ養殖が盛んになり、タコ漁は底引き網が主流になった。タコつぼが減ると海藤花も手に入りにくくなり、同漁協の漁師と料亭との取引も自然消滅した。
ただ、今も同漁協でタコつぼ漁に従事する十軒ほどの漁師らは、貴重な海藤花をしっかり確保。冷凍し、一年間常備する漁師の家庭も多い。中村さんも「今でもうちは、お椀(わん)一杯に十房以上入れる。食感がいい」と笑う。
海藤花が鮮魚店の店頭などに並ぶことは、ほとんどない。ただ、市内の一部の料理店が、明石タコの海藤花を提供している。
本町二の日本料理店「明石屋」では、三十五年前からタコ料理の一品として海藤花のおすましを出している。河渕卓穂料理長(59)は「昔は高級品で手に入らないと思ってた。ある時、林崎の漁師たちが煮物にして食べているのを見てびっくりした」と振り返る。早速、漁師と直接取引を始めたという。
その後、林崎漁協(林三)は、漁師が水揚げした海藤花を一括管理し、同店など地元料理店へ優先的に販売。明石タコの海藤花は、地域限定の味として受け継がれている。
最近は、テレビでも紹介され、「海藤花のおすましを注文する客が増えている」(河渕料理長)という。伝統の味が、地域に人を呼び寄せる。
(大月美佳) |