お隣はニュータウン  ―北区長尾町からの報告
上.巨大施設出現 (2007/07/24)
夢見た活気故郷に陰
開業日の神戸三田プレミアム・アウトレット。買い物客であふれた=6日午前、北区上津台7

 交差点近くに開店したスターバックスコーヒーで、若い女性のグループが談笑している。

 西へ進めば、県内最大級の大型商業施設「イオン神戸北ショッピングセンター」。さらに行くと、海外高級ブランド店など八十九店が入った「神戸三田プレミアム・アウトレット」。合わせて六千八百台分ある駐車場へと車の列が続く。大阪や京都ナンバーの車も目立つ。駐車場に「満車」の表示が出た。

 アウトレットの開業から二週間。週末の北区上津台(こうづだい)では、道路の渋滞が見慣れた風景になった。

 ジャスコをはじめ百六十六店を集めたショッピングセンターの開業が昨年十一月。そして七月六日、アウトレットが開業した。

 上津台を全国六カ所目のアウトレットの拠点に選んだのは、米国の不動産開発会社などでつくる「チェルシージャパン」。中国自動車道の神戸三田インターに近い立地が、開発業者を魅了する。「車で九十分の商圏に約千三百万人が住む」と吉村俊秀社長。関西一円から年間三百十三万人の来客を見込む。

 七月六日、開業を待つ行列は四千人に達した。吉村社長は「手応えは十分。半年で増設の見極めをしたい」と、自信を見せた。

 両施設の北に上津台のニュータウンが広がる。一九六八年から日本住宅公団(当時)が山林を買収。分譲の開始は二〇〇〇年から。今年六月末で八百四十三世帯、約二千六百人が暮らしている。

 上津台は旧長尾町のエリアで三番目の開発事業地だ。既に住宅地の鹿の子台、企業団地の赤松台で開発が進んでいる。

 青々とした田んぼを風がなでてゆく。川のそばには、かやぶき屋根の家もある。

 活気にわく上津台の隣に、長尾町の農村地域がある。六百五世帯、約千五百人。そのうち六十五歳以上の住人が30%を超える。この夏、二十四年間も続いた盆踊り大会の中止が決まった。参加者が集まらなかったという。

 長尾小学校は、創立百二十三年になる。児童は減り続け、二〇〇〇年度には児童数八十三人の小規模校だった。ところが、長尾町に加えて上津台の子どもたちが通うようになり、児童数は急増。この春には三百六十八人になった。

 児童数が増えたことで、教室が足りなくなった。長尾町にあった長尾小は今年四月、上津台に移転した。

 消防団員の男性(52)が言う。「子どものころ、開発が進めば電車もバスも通るって夢見てた。開発が現実になり、便利にはなったけど、これでよかったんかな」

 ニュータウン開発の波が押し寄せる北区長尾町。急激な変化に戸惑いつつも、ふるさとの未来を考える住民の姿を報告したい。

(上田勇紀)

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