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日本がどこに向かうのか、世界も注視する=2014年11月、G20首脳会合(ブリスベン)
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日本がどこに向かうのか、世界も注視する=2014年11月、G20首脳会合(ブリスベン)

日本がどこに向かうのか、世界も注視する=2014年11月、G20首脳会合(ブリスベン)

日本がどこに向かうのか、世界も注視する=2014年11月、G20首脳会合(ブリスベン)

 この1年、世界で何が起き、私たちはどこへ向かうのだろう。戦後70年という節目の年の始めに、いつにない不透明感が漂っている。

 それも無理はない。昨年来、思いもよらない出来事が相次ぎ、国際社会の困惑が深まっているからだ。

 ロシアは力ずくでクリミアを編入した。中東では過激派による「イスラム国」が勢力を伸ばす。アフリカの感染症やサイバー攻撃など、目に見えない脅威が迫り始めた。

 変調は身の回りにもある。多くの先進国で格差が広がり、不平等への怒りが寛容さを失わせる。過激な主張が支持を集め、手間のかかる民主主義が目の敵にされたりもする。

 世界を律してきた考え方や枠組みが覆され、一つの危機が方々に拡散していく現実が姿を見せている。

 日本の針路を担う安倍晋三首相の時代認識が問われる1年である。

       ◇

 「今」を読み解くため、戦後の出来事をたどってみる。激動の歴史の中で、とりわけ目を引くのは1990年をはさむ数年間ではないか。

 ベルリンの壁が崩れ、旧ソ連解体で冷戦が終わった。中国は市場経済を加速させ、経済のグローバル化がこのころから本格化した。情報化社会への流れも顕著になってくる。

【近隣外交の修復から】

 日本でバブルがはじけたころ、世界でも、その後の国際秩序から経済活動、人々の暮らしにまで影響を及ぼす動きが次々に生じていた。

 この数年が大きな転換点だったことが、あらためて分かる。

 あれから四半世紀を経て、世界を戸惑わせている現象は一見ばらばらのように映る。しかし、次に来る時代の兆しという意味では、共通しているのかもしれない。

 70年という区切りを越え、日本はどんな針路をとるのか。先行きの多難さを予感させる岐路に立って、節目の年の問いかけが重い。

 「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」。安倍首相はこんな看板を掲げ、歴代最多となる国々を訪れてきた。狙いはさまざまだろうが、多くの国と意思疎通を図ろうという姿勢は評価していい。経済、文化などの交流の種が芽吹くケースも増えてくるだろう。

 ただし首相が精力的に外遊を重ねている分、中国、韓国との冷ややかな関係が際立つ。今年が韓国との国交正常化50年に当たることを思えば、なおさら停滞ぶりが気になる。

 歴史認識の問題が絡み、歩み寄りは容易ではない。中国の強引な海洋進出など、日本として容認できない動きもある。それにしても、切っても切れない関係を持つ両国といつまでもいがみ合っていては国益を損ない、国の針路も固まらない。

 近隣外交を一日も早く立て直し、国際社会が東アジアに向ける不安なまなざしを取り除く。首相が今年、最優先すべき課題である。

【目指すものを世界へ】

 加えて、日本が目指す国づくりについて世界に明確なメッセージを伝えれば、「地球儀を俯瞰する外交」に心棒を入れることになる。

 戦後70年の首相談話も予定されている。意義ある発信をするには、先の大戦の反省に立つ戦後の歩みを受け継ぐ内容でなければならない。

 首相は政権復帰後、「積極的平和主義」を掲げて新たな安全保障政策に力を入れる。国の根幹に関わる見直しを危ぶむ声は少なくない。

 経緯を見てきた米政治学者のJ・ナイ氏は、集団的自衛権行使の容認に理解を示す一方で、「『不戦の70年』は偉業だ」と述べる。平和国家としての評価は、ナイ氏が提唱する「ソフトパワー」として有益、とする指摘は記憶されていい。

 焦土からの復興を果たし、世界でもまれな治安の良い社会を築いた日本は、発展途上国にとっての手本。「その値打ちを、日本人自身が十分に気づいていない」と話したのは、日本をよく知るもう一人の米政治学者、G・カーティス氏だった。

 力の論理の台頭を許さず、新たな冷戦を起こさせない。貧富の差が社会を不安定にしていくのを、どう回避するか。今、国際社会が直面しつつある課題を前にして、国の針路をしっかり定め、戦後70年を迎えた日本の立ち位置を広く伝えたい。

 まずは、積み重ねてきた「資産」の価値を見つめ直すことだ。

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