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働く時間を自由に選択

「ショートタイム社員制度」を利用し、帰宅する長女を出迎える女性従業員=神戸市内

 店舗や製造現場で正社員数を上回るパートタイマーが働く洋菓子メーカー「モロゾフ」(神戸市東灘区)。1976年に「育児休業制度」を導入以降、88年開始の「看護介護休職制度」など、正社員だけでなくパートタイマーも、仕事と生活を両立させる制度を利用できる仕組みにした。

  しかし、待遇面の格差は残ったまま。人事総務グループ担当の尾崎史朗常務は「このままでは、社員と同じ仕事を担うパートタイマーのやる気を失わせてしまうと感じた」と振り返る。

  2002年、パートタイマーの士気を高めるため、能力次第で上位資格に昇格でき、処遇もアップする「エキスパート制度」をスタートさせた。

  07年には、3年以上働いていれば試験と面接で正社員の身分になれる「ショートタイム社員制度」を導入。ショートタイム社員は年間960時間(フルタイムの5割)以上働けばいい。賃金は勤務時間に応じて増減するが、社会保険や福利厚生面はフルタイムと変わらない。

従業員のスキルアップを支援するために配布される、モロゾフの自己啓発ガイドブック「ウィル」。通信教育の補助も会社がおこなう

  初年度は、特例措置として上位資格者で希望したほぼ全員の169人を受け入れた。次年度以降も計16人が転換している。さらに、希望者はフルタイムへも移れる。

  同グループの白石清美担当課長は「パートタイマーから移行した社員が職場に2人いるが、社員となってから、より意欲を持って働いている」と話す。ショートタイムからフルタイムを選んだ人も現在、134人に上っている。

  制度導入に当たり、フルタイムからショートタイムへの移行も可能とし、多様な勤務形態を実現させた。再びフルタイムに戻ることもできる。「何らかの事情でフルタイムで働けなくなった場合、辞めるしか選択肢がなかった」だけに、社員にとってメリットは大きい。

  08年4月、フルタイムで勤務していた3人が育児、介護などを理由にショートタイムへ転換した。このうち2人は1年後、フルタイムに戻って働いている。

  パートタイマーの正社員登用が増えれば人件費も増加するが、尾崎常務は「短期的にコストが増えても、能力に見合った働きをしてもらうことで十分にカバーできる」と見込んでいる。

 ◇多様な人材の活用

 ・短時間正社員制度(ショートタイム社員制度)の導入
 ・ショートタイムとフルタイム社員との相互転換可能

 ◇仕事と家庭の両立支援

 ・フレックスタイム制度(部署限定)の実施
 ・ノー残業デー(毎週水曜日)の実施
 ・育児・看護・介護休業者への情報提供とコミュニケーション促進(近況報告  書)
 ・自己啓発への援助(ガイドブック配布・助成金支給)

 1931年設立。社員数836人(男443人、女393人)。2006年には、男性の育児休業促進のために、「育児有給休暇(3日間)制度」も導入した。