神戸新聞社の紙面製作システムに22日、障害が発生した原因について、システムを開発した日本電気(NEC)と、日本オラクル両社は28日、データベース(DB)ソフト「オラクルデータベース」にプログラムの不具合(バグ)があったと発表した。同ソフトは大規模な商用サービスなどに世界で最も多く使われ、国内の新聞社の多くも採用している。日本オラクル社は米本社に障害を報告。バージョンアップまたは修正プログラムでの対応を検討する。
不具合があったのは、DBの起動時に履歴データと現在のデータを照合して不一致がないかをチェックする部分のプログラム。データを効率的に検索するために一時的につくられた分析用のデータは、履歴データと一致しないことが想定されるにもかかわらず、プログラムはデータの不一致をエラーと判断、起動できない構造になっていた。不具合を回避する手順も想定されていなかった。
日本オラクル社によると、今回のようなデータ不一致と、DBソフトの特定の手順での終了から再起動にかけての一連の動作が、同時に発生することは極めてまれで、これまで深刻なトラブルが発生した事例が世界で報告されておらず、原因究明が遅れたという。
障害が起きた組版DBは、記事、写真などの情報を蓄積し、紙面に編集するコンピューターに呼び出したり、組み上がった紙面の情報を保管したりするためのデータベース。神戸新聞社は、組版DBを含めて全システムを多重化するなど万一のトラブルに備えた体制をとっており、DBのデータも二重化していたが、データの不一致も両系統で発生していた。
神戸新聞社はNEC、日本オラクル両社に早急なプログラム修正を求める一方、再発防止へ危機管理体制の再構築を検討している。
オラクルデータベース 米・オラクル社が開発・販売するデータベースソフト。製造、小売、金融、通信など世界中のさまざまな業種の企業や研究機関などで最も多く使われている。国内では日本オラクル社が販売、サポートし、多くのIT企業が同社の製品を自社開発のシステムと組み合わせている。神戸新聞社の組版システムはNECが開発、オラクル社製品のサポートも行っている。