この人に聞く/みずほ信託銀・衛藤博啓社長
2003/06/12

 みずほフィナンシャルグループの再編で、みずほアセット信託とみずほ信託の二銀行が合併して誕生した「みずほ信託銀行」。旧アセット信託社長からトップに就いた衛藤博啓(ひろあき)社長(62)は「コンサルティング力を磨けば道は開ける」と力を込める。激しさを増す受託競争や伸び悩む信託報酬…。荒海に乗りだして三カ月の手ごたえを聞いた。(加藤正文)

 ―合併の効果は?

 「旧アセットはプライベートバンキングや不動産が強く、旧みずほ信託は年金や証券代行、資産管理に強みがある。この二つが一緒になり、強力なフルラインの信託銀になった。上場企業全体の70%に取引があるみずほグループの巨大マーケットに、積極的に働きかけている」

 ―金融を取り巻く環境はかつてない厳しさだが

 「気負いなく淡々とやるしかない。金融機関にのしかかる不良債権問題では、旧アセット銀はこれまで二兆一千億円を処理し、一応のめどは付けた。株式の含み損には合併差益を活用して対応する。いま、七百億円の業務純益を稼ぐ力があり、復配が視野に入ってきた」

 ―どこに強みを見いだすのか

 「やはりコンサルティングに磨きをかけたい。昨年は企業などに千九百五十件を提案し、不動産の流動化ビジネスやM&A(企業の合併・買収)に結びついた。また、遺言信託(遺言状を保管・管理し、相続執行事務を請け負う)サービスでは、うちがシェアトップだ。より以上きめこまかな対応で臨む」

 ―一九九〇年代後半の金融危機を超え、トップとして今、何を心がけるか

 「当時は富士銀(副頭取など)にいたが、経営者の力量いかんで、老舗でも簡単に崩れ去ることを目の当たりにした。先を見る目を磨き、早めに決断する大切さを痛いほど学んだ」

 ―最後に兵庫・神戸地区に対しては

 「震災から八年。明るく透明度の高い雰囲気は何よりの観光資源だ。われわれも神戸支店で一万件の取引がある。今まで以上に存在感が高められるように頑張る」

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