バス水没、救出までの経過 絵に刻む 朝来の中島さん

2005/10/20

 昨年の台風23号による堤防決壊で、乗客ら三十七人を乗せた観光バスが京都府舞鶴市で水没してから二十日で一年。「自分が生きた記録として残したい」と、乗客の一人だった朝来市の主婦中島明子さん(65)は、バスの屋根の上で水につかりながら、仲間と身を寄せ合って過ごした不安な一夜を絵や文章にまとめている。

 被災直後からスケッチブックに絵の具で描きためた絵は、屋根の上で目を閉じて雨風にじっと耐える乗客の姿。バスの周囲は一面、泥の海だ。

 一方、台風が接近した二十日夕からヘリコプターで救出されて病院に運ばれる翌朝までの出来事を、携帯電話の通話記録などを基に時系列でパソコンに打ち込んだ。

 「21時すぎ?バスの中に水が入り始める。窓から脱出を始める。正直言って屋根になんかとても上れない」「22時57分 水は屋根を超してきた」「3時 『上を向いて歩こう』を歌おうと提案」「6時 ヘリコプターが飛ぶ。助かったと思うと同時に、三十七名無事であることに感動し、涙が出て困った」

 バスから見つかった荷物の缶ビールは、泥が付いたまま今も仏壇に供えている。「今があるのはいろんな方の力があったから」と中島さんは一年前を振り返った。

・特集「台風23号


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