住民の「郷」で再出発 南あわじの教員夫妻宅

2006/01/16


故松村夫妻の自宅に集まり、思い出などを語る遺族と北谷理事長(右側手前)ら=南あわじ市

 阪神・淡路大震災で亡くなった南あわじ市の教員夫妻の自宅を、地元のまちづくりグループが陶芸など創作活動の拠点とする取り組みが近くスタートする。震災11年を前に15日、自宅に遺族らが集まり、「地域のためになる息の長い活動を」と確認し合った。(内田尚典)

 夫妻は、県立芦屋南高校(現県立国際高校)教諭だった松村吉成さん=当時(54)=と、旧三原郡西淡町(現南あわじ市)立丸山小学校教頭だった岑代(たかよ)さん=同(53)。

 夫妻は、南あわじ市倭文(しとおり)土井で岑代さんの両親と同居。吉成さんは芦屋市に単身赴任していたが、震災で住んでいたマンションが全壊。週末を利用して岑代さんも滞在、夫妻ともに亡くなった。その後、岑代さんの両親も亡くなり、自宅は空き家となっていた。

 自宅の敷地は約千五百平方メートル。木造一部二階建て母屋(延べ約三百平方メートル)のほか、土蔵や倉庫、農作業小屋などが建つ。

 昨年、地元倭文で活動するNPO法人「ふるさと応援隊」(北谷雅良理事長)が、大阪府寝屋川市に住む岑代さんの妹郷万里子さん(62)らに「地域活性化の拠点にしたい」と申し出た。

 同法人が補修し、寝泊まりしながら創作活動ができる施設や体験工房などにする予定で、淡路島内の陶芸家や染織家らのグループの利用がすでに決まっている。

 十五日、郷さんと、神戸市に住む郷さんの妹(57)、東京から夫妻の長男(33)、二男(31)らが集まり、十年間の賃貸契約を確認した。

 「生まれ育った家が地域のためになるなら、とお受けした」と郷さん。

 北谷理事長は「夫妻をしのび『薫陶の郷(さと)』と名付けようと思う。地元住民が手ほどきする農村の生活体験なども企画したい」と話している。ふるさと応援隊TEL0799・46・0301

・特集「伝える 震災11年


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