「自宅研修」減る 先生の夏休みに“異変”
2002/08/29

 夏休みも最終盤。完全学校週五日制に移行して初めてのこの夏、学校へ出てくる先生が増えた。昨年度までは土曜に出勤した分を夏休みに代休としてまとめ取りできたが、その休みがなくなり、同時に「自宅研修」についても文部科学省が「休み中の研修の適正化」を求めた通達を出し、申請が減った。「先生の休暇は長い」との印象を与えがちだった夏休みについて、学校側が対応を改めた格好だが、一方で現場からは「自己研さんの場がなくなってしまう」と危ぐする声も出ている。(篠原佳也)

 教員の夏季休暇は通常三日間。しかし昨年度までは土曜出勤があり、代休を夏休みに取ってきた。

 このまとめ取りができなくなったのを機に、文科省は「夏休みは教員の勤務日」とあらためてアピール。今年七月「職務と関係のない内容は自宅研修とは認めない」とする通達を都道府県教委に出した。

 神戸市立のある小学校は、休み前の職員会議で「研修は、一般の人たちに誤解を与えない内容に限ろう」と確認。教員約三十人のうち四人が四―六日間を取った。「いずれも図工や音楽で特殊な楽器や機材を必要とするケース」と校長は言う。

 この研修期間を平均すると、昨年度、同市立小中学校教員が申請した「平均約一・九日」を大きく下回る。

 北播では、教員約二十人のうち四人が二―三日間取っただけの公立小学校も。研修目的の旅行に一部個人的な日程が入ったため、有給の年次休暇扱いにした教員もいた。校長は「学校でできることは学校へ来てやろうと決めた。約十年前は教員全員が自宅研修を十日ほど取っていたが、教師の意識も変わった」。

 研修に伴う「事後報告書」を嫌い、有給休暇にする教員も増えている。

 一方、こうした流れの中で現場では「研修機会が狭まる」との不安が広がる。明石市立のある小学校では「研修が取りづらい」と話題に上る。「教える立場として資質を高める研修こそ大切。中にはすぐ効果が表れないものもある」と校長。

 総合学習の導入で、幅広い知識も求められるようになった。別の校長は「夏休みは教師が研修に打ち込める貴重な期間なのに」と話し、研修が取りづらくなった現状を懸念する。

 自宅研修 公立学校の校長を除く教員は、教育公務員特例法で、自宅や図書館、博物館など学校外での研修が認められ、「承認研修」とも呼ばれる。校長の承認を受ければよく、日数の上限はない。研修範囲は広く、統一規定がなく、不透明との指摘もあった。

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