不登校児童に大学生派遣 県教委が支援策
2003/01/02

 お兄さん、お姉さんが相談相手になります―。兵庫県教委は新年度、教育学や心理学を専攻している大学生を不登校の児童生徒の自宅に派遣する事業を始める。不登校は全国で増加の一途だが、適応指導教室やフリースクールに通うのはごく一部で、多くが自宅で過ごしている。世代の近い大学生に“家庭訪問”してもらい、ゆっくり信頼関係を築きながら、登校意欲を引き出すのが狙いだ。

 計画では、公立の相談施設の適応指導教室(県内五十二カ所)の一部を「モデル教室」に指定。心理学や福祉を専攻している大学生を登録し、研修の後、本人や保護者が希望する自宅に派遣する。専門家のアドバイスも受けながら、継続的に家庭訪問を続ける。

 兵庫県内で二〇〇一年度、不登校になった小学生が千七十七人(全体の0・33%)、中学生は四千九百二十二人(同2・79%)。全国平均をわずかに下回ったが、一九九八年をピークにほぼ同数で推移している。

 一方、適応指導教室を利用したのは〇一年度、不登校生全体の約一割だけ。「保健室登校」も含め約三割が学校に戻ったが、全体の六割近くが自宅で過ごしている。

 今回の事業では不登校生の短期宿泊施設「但馬やまびこの郷」(朝来郡山東町)のノウハウを活用。同施設では兵庫教育大の学生ら百三十人が、四泊五日の集団生活や里山での体験活動を一緒にしており、〇一年度は参加した子どもの六割に学校に戻る兆しがみられたといい、まずは同施設に登録する大学生から順次、参加学生のすそ野を広げる考え。

 県教委はフリースクールとの連携や保護者会の組織化も視野に入れており「不登校支援の新しい形を作りたい」としている。

[ 閉じる ]
Copyright(C) The Kobe Shimbun All Rights Reserved