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筋ジスの進行抑制を確認 世界初、神大大学院
2003/12/03
人工的に合成したDNAを投与し、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの進行を食い止める治療を実施していた神戸大学大学院の松尾雅文教授(生育医学)は三日、患者の十歳男児に対する一連の投与が終了し、その治療効果を確認した、と発表した。この病気で効果的な治療法が実証されたのは世界で初めて。男児は同日午前、退院した。
筋ジストロフィーは、筋肉が委縮し、筋力を失っていく進行性の病気。デュシェンヌ型は筋肉を動かすタンパク質を作るよう指令する遺伝子の異常が原因で、有効な治療方法は確立していない。
松尾教授らは十月末以降、男児に合成DNAを計四回投与。異常遺伝子が発する情報伝達を調整することで、筋肉を動かすタンパク質を作らせ、進行を遅らせる狙いだった。
投与は副作用もなく、無事終了。男児のリンパ球を検査したところ、一部で異常遺伝子の情報伝達が調整されていることを確認。現在、男児から採取した筋肉細胞でタンパク質が作られているかを確認中だが、松尾教授は「過去の臨床データから、この時点で治療は成功したといえる」と話している。
同型の筋ジストロフィーは男児三千五百人に一人の割合で発症し、二十歳前後で死亡することが多い。理論上では、この治療法は同型の患者の半数に有効といい、今回の成功は、大幅な延命を可能にする治療法確立の大きな足掛かりになる。
ただ、進行を食い止めるには、生涯にわたる継続的な合成DNA投与が必要。松尾教授は「今後は少ない投与回数で、長い効果を得られるようにしたい」と話している。
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