「第4の食肉」と脚光 ダチョウ飼育農家急増中
2004/04/17

牧場を駆けるダチョウ。巨体が素早く動くさまは壮観だ=京都府夜久野町板生
 低カロリーで高タンパク―。世界最大の鳥、ダチョウの肉が、牛、豚、鶏に次ぐ「第四の食肉」として注目を集めている。飼育が容易で早く出荷でき、鳥インフルエンザなどの病気にも強いとあって、飼育農家も急増中。期待を背負って疾走するダチョウを追った。(浦田晃之介)

 農林水産省によると、日本では約十年前からダチョウの飼育が本格化。二〇〇三年二月の全国の飼育数は九千七百八十六羽と、調査を始めた八年前の約十七倍に急増。兵庫県内では神戸市西区などで計約八百羽が飼育されている。

 兵庫県朝来郡和田山町の金属メーカー「鍋倉金属工業」は、二年前から新事業として飼育を始めた。同郡山東町の工場敷地内で約四十羽を育てているが、三年後までに千羽に増やそうと敷地を拡張中。工事の騒音を嫌うダチョウを、一時的に京都府夜久野町内の牧場に避難させている。

 高さ二メートル、体重百キロを優に超す巨体は圧巻だ。三、四羽ごとに長さ約四十メートル、幅約五メートルの金網内に放牧。エリンギや豆が入った飼料が好物で、一日に二キロは平らげる。

 ダチョウは、ふ化から出荷まで約一年と飼育効率が良く、雌は年に約七十個産卵する。肉は低脂肪で味は牛肉に近く、健康志向の高まりで消費拡大が期待される。同社は地元の旅館や土産品店、京都府福知山市の飲食店などに生肉やくん製を出荷しており、革製品販売も計画中。一部の焼き鳥店でもくし焼きメニューに登場している。

 病気になりにくい点も飼育面でのメリットだ。ダチョウを研究する斎藤俊之・鳥取大農学部助教授(59)は「病死はまずない。アフリカなどの過酷な環境にすむ鳥なので抵抗力が強いのでは」と分析する。

 国内での鳥インフルエンザ発生後、同社も感染を警戒し、立ち入り制限や消毒を強化。鶏肉への不安の広がりを受けてか「逆に問い合わせや注文が増えている」と鍋倉武弘社長(64)は話す。

 課題は、卸値で一キロ約三千―五千円という高さと知名度の低さ。スーパーなどの量販店に並ぶのは、採算の難しさから当分先のようだが、鍋倉社長は「確実に手応えを感じている。消費者に浸透すれば、味とヘルシーさで人気商品になる」と期待を込めている。

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