和解直前に組事務所移転 神戸・兵庫の暴力団
2004/09/28

 神戸市が売却した同市兵庫区福原町の宅地に建設されたビルが、指定暴力団山口組系組事務所として使われていた問題で、事務所閉鎖などを条件に今月、市と組長らの間で和解が成立する直前、組事務所がこのビルの北約五十メートルの店舗に移されていたことが、兵庫県警暴対一課などの調べで二十八日、分かった。和解条件には反していないが、追放運動に取り組む住民らは、地域に居座り続ける暴力団に憤りを募らせている。

 同組は、山口組内最大勢力の山健組傘下で、組員約四十人を数える。同課などによると、新たな組事務所は旧事務所と同じ市道に面した二階建て店舗。二、三カ月ほど前から改装工事を進めていたらしく、八月中に事務所の移転を終えたという。

 旧組事務所は、市が公募で売り出した宅地を二〇〇一年三月、同市垂水区の会社役員が購入して建設した三階建てビルを使用。暴力団進出に気付いた市が同年十一月、「組長への転売目的を隠していた」などとして、会社役員と組長に土地の明け渡しなどを求める訴えを神戸地裁に起こした。

 同地裁は今年一月、市が土地、建物を買い戻すなどの条件で双方に和解を勧告したが、市が受け入れなかった。その後、請求を棄却された市が控訴、大阪高裁の勧告を受けて今月十七日、今年末までの事務所退去や暴力団の拠点として使用させないなどの条件で和解が成立した。

 同課などは、暴力団側が新たな拠点を確保できたことなどから、市との和解に応じた可能性もあるとみて、情報収集を進めるとともに、組員らの動きに警戒を強めている。

 今回の組事務所移転に市は「和解成立で暴力団を排除できたと思ったのだが…」と驚きを隠さない様子。ある地元住民は「ここでひるまずに、警察や市と連携し、今後も追放運動を続ける」としている。

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