保険加入時あなたは男?女? 簡保でトラブル
2005/02/19
性同一性障害者の戸籍上の性別変更を可能にする特例法が昨年七月に施行された影響で、男女で保険料が異なる簡易保険(簡保)の保険金を郵便局に受け取りに行った際、「過去の性別が確認できない」と支払いを拒まれるケースが相次いでいる。受け取りには、保険加入時の性別が分かる公的書類が必要だが、同法施行以後の住民票などでは過去の性別が確認できなくなったからだ。窓口での混乱を受け、日本郵政公社は手続きを簡略化するサービスを始めたが、加入者からは「説明不足」と不満の声が出ている。(金川 篤)
簡保は、平均寿命が長い女性の方が男性より掛け金が安くなっている。従来は戸籍上の性別を変えられなかったため、利用者は加入時に性別を自己申告するだけでよく、郵便局側は保険金を支払う際、住民票などの公的書類で被保険者の性別が申請通りかどうかを確認していた。
だが、特例法施行後、郵便局側は保険金受け取りに必要な書類を変更。同法施行前に契約された簡保の場合、〇四年七月十六日以降に発行された健康保険証やパスポートを提示しても保険金は受け取れない=表参照。戸籍謄(抄)本などが必要となる。
神戸市内の男性(67)は今月、入院保険金を請求したところ、「昨年七月以前の保険証が必要」と説明された。しかし、古い保険証がなく、手続きの煩雑さから請求を断念。「理由が理解できず、腹が立った」という。
こうした混乱を受け、同公社近畿支社はこれまでに二度にわたって管内の約三千五百局に通知を出し、提示書類の変更を加入者に分かりやすく説明するよう指示した。
また、受取人の都合がいい時に、性別が証明できる書類を事前に提示しておくことで、保険金受け取り時の手続きを簡略化するサービスも始めた。同支社は「分からないことは早めに聞いてほしい」と話している。
民間の保険の場合、同様の混乱は起きておらず、社団法人生命保険協会によると、業界全体での制度の変更などはないという。
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