特例債は必要施設に充当
2005/03/29

 厳しい財政状況の中、住民のメリットが見えない「平成の大合併」。県内合併市町アンケート調査では、公共料金の負担増だけでなく、国の手厚い財政支援を受けられる合併特例債を活用した基盤整備や行政機構上でもめぼしい恩恵はなく、合併を推進する国の「負担は低く、サービスは高く」の宣伝文句は、早くも“空手形”になっている。

 ■負担増

 多くの合併(予定)市町は厳しい財政状況の中、住民の理解を得るため、旧市町が持ち寄った基金による充当や、特別交付税による国の支援を受けるなどし、公共料金を低い水準に設定した。

 だが、独自の住民サービスとして低料金を維持してきた北淡町などの旧自治体では大幅な値上がりに。また、特別交付税の期限は三年で、基金での充当にも限界があり、将来的な値上げを見込む市町も多かった。

 構成する旧四町すべてで、公共料金など何らかの負担増があった南あわじ市。市企画調整課は「公共料金は利用者の分母が増えれば、負担が下がるという単純なものではない。介護保険や国保などは、高齢化率の高い町同士の合併で支出が増えてしまう」と説明する。

 都市化の夢を追ったかつての合併とは違い、多くの合併市町や協議会は、合併を「住民と行政との応分の負担による行政改革のスタート」と位置付ける。朝来郡の合併協議会は「職員の意識改革なくして、合併は成功しない」とする。

 ■特例債

 合併特例債を使った施設整備については、新庁舎や学校給食センター、斎場など、合併に伴う業務の広域化や統合で必要になる施設建設がほとんどだった。美方・村岡・香住町が合併する香美町のグラウンドゴルフ場建設など、新たに機能を付加する事業は少ない。一九九九年に合併した篠山市で子供博物館や温泉施設などの建設が相次いだのとは対照的だ。

 合併関連の生活基盤整備は、合併十市町がケーブルテレビや光ファイバー網など情報通信基盤の整備に取り組む。

 行政機構の新設は、新豊岡市の防災監の配置や男女共同参画推進係、新宍粟市の「森のゼロエミッション係」など。国が掲げた保健福祉や土木建築などの高度、専門的な職員の配置・採用については、市制昇格に伴う福祉事務所の設置による専門職の配置を除き、全市町で計画がなかった。

 (森本尚樹)

・特集「市町合併

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