本格実施の自立支援法 障害者や家族の声

2006/10/20

 十月から本格的に動き出した障害者自立支援法。障害者が福祉サービスなどを利用した場合の「原則一割負担」が四月に先行し、さらに障害児施設の利用負担なども始まった。相次ぐ自己負担の増加を受け、独自の減免策を講じる市町が出てきているものの、対策の限界や地域格差を指摘する声もある。兵庫県内の障害者や家族の声をまとめた。(本田純一)

自己負担の増加に悲鳴/地域格差に不公平感 減免策に限界も

 自立支援法は、今年四月に一部施行し、十月から本格的に実施。以前は福祉サービスなどの利用が無料となるケースが多かったが、四月以降、福祉サービスや障害にかかわる医療などが原則一割負担になり、十月からは、自立支援法の施行を受けた児童福祉法改正に伴う、障害児施設を利用した際の原則一割負担などもスタートした。

 神戸市中央区の知的障害者更生施設「自立センターあづま」に週五日ほど通う、知的障害者の女性(34)はここ数カ月間、よくふさぎ込むようになったという。「出費を減らすため、外出の機会が減ったからでしょう」と母親(67)。

 両親は飲食店を経営。女性はセンターに行かない週末、ガイドヘルプを利用して、散歩など外出していたが、一割負担で出費総額が増え、利用をやめた。

 父親も身体障害者で、母親は女性の世話をしつつ、店を切り盛りするが、週末に自宅にいる時間が増えた女性がストレスからか騒ぐようにもなり、店を早く閉める日が多くなった。

 同市は障害児施設の利用料を据え置くなどの減免策を行っているが、自己負担が増えるケースは少なくない。

 「心身、金銭の両面でもう限界。娘の面倒を見るためにも、今月いっぱいで店を畳むつもり。今後は年金で食いつなぐしかない。国はこれ以上、弱い立場の人間をいじめないでほしい」。母親は肩を落とした。

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 尼崎市や西宮市などは十月から、独自の減免策として、障害児施設の利用料を一部負担し始めた。しかし、尼崎市の肢体不自由児通園施設「たじかの園」に、長女(6つ)を通わせる母親(36)は「減免策があっても負担は増える。このため、ヘルパーの利用頻度を減らした」と打ち明ける。西宮市の肢体不自由児通園施設「わかば園」を利用する母親(50)は「助かるけれども、毎月一万円ほどの負担増になる見通し。状況によっては、通園の頻度を減らさざるを得ない」と漏らす。

 また、両市を含めて、障害にかかわる医療の一割負担を減免する市町もある。

 三木市の小規模作業所「やすらぎ工房」で、包装などの軽作業に従事する精神障害者の男性(30)。同市が独自に、精神障害者を対象に障害にかかわる医療の負担基準をつくっているため、「医療負担はかえって緩和された」と話す。しかし「軽減がいつまで続くか分からず将来が不安」。

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 一方、加古川市など減免策を実施していない市町も。

 同市の知的障害者更生施設「つつじ園」に通う長男(22)と二人で暮らす母親(46)。毎月の収入は、パート代と長男の障害基礎年金を合わせた約十八万円で、一万円以上の負担増となった。母親は「地域によって、負担に差があるなんて…」と、唇をかんだ。

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