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「家じゃない。夢をつくるんだ」(大工) 「好きなことなら頑張れる。続けることが才能」(漆芸作家) 「何でも挑戦。責任はすべて自分にある」(カフェオーナー) 仕事に情熱を燃やす人を紹介する「お仕事人辞典」(www.carinavi.org/)というインターネット上のサイトがある。 なぜこの仕事に、どこに生きがいを。取材するのは大学生や高校生。“イケてる大人”を探して、首都圏一円から京都や岡山にも足を延ばす。 生き方に迷う若者と夢を追っかける大人。NPO法人「キャリナビ」(東京都)は両者を引き合わせる活動をしている。 「若者が夢を持てないのは輝く大人が身近にいないから。人生の道標となる人と出会って夢中になれるものを見つけて」と代表の平尾ゆかり(28)。「彼らが体験した感動を同世代にも伝えたい」とネットでも発信する。 証券マン、和菓子職人、ダンサー…。「仕事人」は二百人を超えた。若者に自分をさらけ出す仕事人の生きようが、彼らの心を揺さぶる。 「ネットを活用した新しい教育の場を作りたい」と入社した大手IT企業。だが、平尾は三カ月で辞表を出した。「『やれる立場になるには十年かかる』といわれ、そんなに待てません、と」 子どものころから社会への違和感があった。父の仕事の関係で日米を行き来した。キャンプでする遊びひとつをとっても「君は何をしたいの」と絶えず問われるアメリカ。日本は逆だ。「勉強していい大学に行けば幸せになれる」と塾通いを強制された。 生き方は与えられるのではなく、自分で選び取るもののはず。「こうしたい」と考える子どもに大人が助言する関係を。そんな思いを大学院時代の仲間と形にしたら、今の活動になった。 参加した学生は半年でキャリナビを“卒業”しなければならない。取材体験を仲間と話し合い、思いを表現する。その先をどう踏み出すか。インターンシップ、留学、アルバイト…。生き方を決めるのは彼ら自身だ。 「教育は人を一番愛せる職業だ」 大学生平岡由香利(21)は一年前に出会った幼稚園長の言葉が忘れられない。先の見えなかった学生生活が、キャリナビとかかわって変わった。「人と深く接したい」。今、教員を志望している。 「以前なら就職活動が怖かったと思う。でも今は、やってやるかって気持ちです」と話す。 「夢なんて持っちゃだめって今の子は思ってる。だから輝く大人がこんなにいることに驚き、勇気づけられる。私自身もそうだった」 そう語る平尾のもとには、全国の大人たちからメッセージが寄せられる。私たちも若者を応援したい、と。(敬称略) |
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