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震源域の海底に設置される観測機器。地震計や津波計が内蔵されている(海洋研究開発機構提供)
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震源域の海底に設置される観測機器。地震計や津波計が内蔵されている(海洋研究開発機構提供)

 今後30年の発生確率が60~70%とされ、最悪の場合32万人の死者が予測される南海トラフ巨大地震。震源域の海底に観測機器を設置し、岩盤の動きを直ちに察知する国立研究開発法人「海洋研究開発機構」(神奈川県)の地震・津波観測監視システム「DONET(ドゥーネット)」が、3月末に完成する。トラフそのものの変動をきめ細かくキャッチし、津波の高さや地震のエネルギーをより早く正確に予測できる世界に類を見ないシステムという。2016年度中の本格運用を目指す。(木村信行)

 2月末、和歌山県串本町の潮岬沖。同機構の作業船が、ケーブルの敷設作業に追われていた。工事海域は深いところで4500メートルの深海。無人ロボットを操作しながら計51カ所に地震計と津波計を備えた観測機器を約15キロおきに埋設し、総延長820キロの海底ケーブルで陸地の基地局とつないでいった。

 東南海地震を対象にした「DONET1」は、2010年、熊野灘で着工。和歌山、四国沖で南海地震を監視する「DONET2」は東日本大震災を受け、計画を5年前倒しした。文部科学省の委託事業で総工費は190億円。

 最も期待されるのは地震と津波の早期検知だ。システムが稼働すれば、陸上の地震計より5~10秒早く緊急地震速報を伝えられる。鉄道や原子力発電所の緊急停止にも使える。

 気象庁は東日本大震災で3分後に大津波警報を発令。だが、実際の津波より大幅に低い予測となり、「10メートル以上」とする第2報は地震発生の30分後だった。これに対し、DONETは精度の高い情報を15分ほど早く出せる見通しだ。

 和歌山や四国沿岸部は地震発生から数分、兵庫で最も早い南あわじ市には約40分で津波が到達するとされている。迅速な高台避難につながる効果があり、大幅な被害軽減が期待できる。

 地震予測への貢献も見込まれる。同機構海底観測技術開発グループの川口勝義リーダーは「未知だった海溝型地震のデータをこれほど詳細に集められるシステムは世界初。地殻変動を正確に把握し、地震の予測研究にも役立てたい」と話す。

【南海トラフ巨大地震の兵庫県被害想定】マグニチュード(M)9クラスの地震が起きた場合、最悪で南あわじ市に8.1メートル、尼崎市4メートル、神戸市3.9メートルの津波が襲い、計2万9100人が死亡。津波による死者が96%を占める。避難の迅速化を徹底すれば死者は400人に減らせる。

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