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文化

県内唯一の成人映画館に熱視線 「明石本町日活」 

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客席の前に今も残る板張りの回り舞台=明石市本町1

 今年で開館六十二年になる「明石本町日活」(明石市本町一)。木造入り母屋建築の本格的な劇場として誕生し、映画館に転じてからは全盛期の日活映画を上映。今は兵庫県内唯一の成人映画の封切館となった。回り舞台や楽屋を残す建物は、大衆娯楽文化の戦後史を映す“証人”として建築関係者から注目されている。

 戦前にあった芝居小屋「三白(みはく)亭」が前身。一九四七年に建てられた。間口約十八メートル、奥行き三十六メートルで、客席は二百四十席ある。空間を生み出すために、三角形に組んだ大規模木造トラス屋根が特長だ。舞台と客席部分は平屋建てだが、楽屋やかまど、宿泊施設のある裏側部分は二層構造になっている。

 開館当初は、洋画の上映や、旅芸人による民謡ショーが上演された。

 五〇年代後半、日活の専属館になったのを機に内外装ともに大改造。石原裕次郎や浅丘ルリ子が舞台あいさつをしたという。「日本映画の黄金時代。一日で今の一カ月分の客が押しかけた」と館主の柏木弘さん(57)。

 だが、映画は斜陽化。七〇年代に日活がロマンポルノ路線に移行し、同館も成人映画専門に。

 阪神・淡路大震災では「全壊」と判定されたが、補修を経て営業を再開した。

 一級建築士で明石市職員の田村嘉朗さん(54)が昨秋、関係者から聞き取り調査。「回り舞台の保存状態も良く、演出へのこだわりが感じる。焼き杉の羽目板や木造建具なども往年の風情をとどめている」と評価する。

 近代建築の保存、活用法を探る「ひょうごヘリテージ機構」の吉川悟さん(54)は「文化的な拠点として栄えた往時の雰囲気をしのばせる。豊岡市の永楽館のように、まちづくりの資源としても活用できるはずだ」と話している。(大月美佳)

(4/9 16:07)


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