著書「坂の上の坂」(ポプラ社)が10万部を超すベストセラーになっている藤原和博・東京学芸大客員教授が神戸市内で講演し、人生の“後半戦”を豊かに生きるためのコツについて話した。
藤原さんは1955年東京都生まれ。東京大卒業後、リクルート社勤務を経て、2003年に都内初の民間出身の中学校長となり話題を呼ぶ。08年には当時の橋下徹大阪府知事の特別顧問に。大胆な発想と実行力で知られ、著作も教育やビジネスなど多分野にわたる。
本書は、人々が短命だった「坂の上の雲」(司馬遼太郎著)の時代と異なり、一仕事終えた後にも長い「坂」を歩まねばならない現代の人生ガイド。「55歳までにやっておきたい55のこと」の副題で、具体的な備えを説く。
講演ではまず、現状について「成長社会の20世紀が終わり、21世紀は成熟社会。物事が多様化・複雑化した社会に一つの正解はない。大切なのは、自分自身と関係者が納得できる『納得解』をいかに導くか。そこで求められるのは、情報処理力でなく情報編集力だ」と説明。
情報編集力を高めるには複数人の頭脳をつなげることが最も有効だと続け、「タイヤに新たな付加価値をつけるなら?」「自己紹介で隣の人と可能な限り共通点を見つけよう」などの課題を投げ掛け、来場者同士の活発な議論を促した。
さらに出生から現時点、そして亡くなるまでのライフデザインを明確に意識するよう提案。「『坂の上の坂』世代が続々と後半の人生にチャレンジし始めた時、高齢化は日本の未来を約束する光明に変わる。そんな新しい日本人の人生モデルこそ、次世代への最高の贈り物になる」と締めくくった。(平松正子)
(2012/02/23 10:24)
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