神戸医療産業都市構想の中核を担う先端医療振興財団が、再生医療などの実用化を目指して全国で支援する研究の成果報告会を、神戸市中央区の同財団臨床研究情報センターで開いた。同財団自身を含む七つの研究機関や大学が、薬事法上の承認を得るための臨床試験(治験)の段階まで進むなどした成果を発表。うち同財団は、足の血管を再生する治療について、企業との共同治験の実施を協議していることを明らかにした。(金井恒幸)
「橋渡し研究支援推進プログラム」と名付けられた文部科学省からの委託事業で、期間は2007年度からの5年間。体の組織のもとになる幹細胞治療などの研究成果を医薬品や医療機器として実用化するため、同財団のほか、京都大や大阪大などの研究者を支援している。最終年度の11年度中には、各拠点は2件の治験に着手することを目標としている。
3月に開かれた報告会では計17の研究のうち、同財団からは、足の血管が詰まった患者に血管のもとになる細胞を移植して再生させる治療について発表。既に財団主導で11人に対して治験を実施済みで、現在は移植後の経過を観察している。ただ、薬事法上の承認を得るには、企業との共同治験でより多くのデータを集めることなどが必要となっている。
和田治郎プロジェクトマネジャーは、同財団主導の治験の中間解析でも一定の成果が得られたなどとして、「血管のもとになる細胞の分離機器の製造企業である米バクスター社と、次の治験の協議をしている」と表明。今後、共同治験の実施に向けて審査当局と相談するという。
また同財団は、軟骨細胞を使った変形性膝(しつ)関節症の再生治療についても報告。患者自身の軟骨細胞を採取、培養して患部に張り付ける方法で、欧州では外傷性膝軟骨損傷に対して認可済みだが、同財団は新しい治療法が望まれている変形性膝関節症への適用を目指している。既にラット(比較的大型のネズミ)の実験で有効性を確認したといい、今後、財団主導で外傷性膝軟骨損傷に対する治験を実施し、その後に変形性膝関節症の治験に入りたい考え。
このほか、大阪大ががんの免疫療法やマラリアワクチン、東京大ががんのウイルス療法などについて開発の現状を報告した。
(2011/04/16 13:00)
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