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 人工多能性幹細胞(iPS細胞)から網膜の細胞を作り、昨年9月に世界で初めて目の難病患者に移植した理化学研究所多細胞システム形成研究センター(神戸市中央区)の高橋政代プロジェクトリーダーが、神戸・ポートアイランドで開催中の日本医学会総会一般公開展示で講演した。患者の現状について、移植前には続いていた視力低下が止まっていることを明かし、「想定の中では最も良い状態だ」と指摘した。

 理研などは、失明の恐れもある難病「滲出(しんしゅつ)型加齢黄斑変性」の患者に対する臨床研究として、兵庫県内の70代女性に1例目の移植を実施した。

 滲出型加齢黄斑変性は網膜の下に異常な血管ができて水分が漏れ出し、網膜のうち光を感じる視細胞を保護する「網膜色素上皮細胞」を傷つける。異常な血管を抑える注射治療はあるが、根本的な治療法がない。

 高橋リーダーによると、女性は移植前は異常な血管から水分が漏れ出して網膜にむくみがあったが、移植の24週間後の時点ではほとんどなくなり、異常な血管の再発や拒絶反応、腫瘍の発生もない。自覚症状として「白がはっきり見えるようになった」と話しているという。

 一方、24週間後の時点で視力、感度ともに移植前と同水準といい、視力は0・1程度と横ばいで推移。視力は視細胞の能力と関わりがあり、移植で視細胞が傷ついて低下する危険性を避けるため、1例目はもともと視細胞の状態が悪い患者を対象とした。移植前は注射治療を受けても視力低下が続いていた状況を踏まえ、高橋リーダーは「移植手術で視力低下を防止し、注射が不要になった」と効果を強調した。

 高橋リーダーは3月20日、移植の2例目以降は備蓄したiPS細胞を使って行うとの計画を表明。患者自身のiPS細胞を作るのに比べて格段にコストが下がり、期間も短縮できるとし、2年以内には実施したいという。

(金井恒幸)

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