医療

医療トップへ
医療ニュース
  • 印刷
藤井正彦・神戸低侵襲がん医療センター院長(左)にオキシドールの効果を話す小川恭弘・県立加古川医療センター院長=神戸市中央区港島中町8
拡大
藤井正彦・神戸低侵襲がん医療センター院長(左)にオキシドールの効果を話す小川恭弘・県立加古川医療センター院長=神戸市中央区港島中町8

 兵庫県立加古川医療センター(加古川市)の小川恭弘(やすひろ)院長(62)が、過酸化水素(オキシドール)を使って効果を高める放射線治療法を開発し、国内外での普及を目指している。効果を妨げる酵素を抑える仕組みで、切除手術が不要なことから、主に乳房が温存できる乳がん治療として広がりつつある。県内でも神戸低侵襲がん医療センター(神戸市中央区)で昨年から開始。今後は臨床試験(治験)を実施し、公的医療保険の適用を目指す。

 小川院長によると、がんは大きくなるほど細胞内に抗酸化酵素が増え、酸素が欠乏する。一方、放射線治療は酸素を利用してがんを殺すため、がんが進行するほど効果が低下することが課題だった。

 小川院長は前任の高知大教授時代、抗酸化酵素を分解するオキシドールと、オキシドールを患部にとどまらせるヒアルロン酸を注射する「酵素標的・増感放射線療法KORTUC(コータック)」を発案し、2006年から高知大で臨床利用を開始。高知大だけで200例超、全国では計10カ所以上で500例以上実施された。大半は乳がんだが、皮膚や肝臓、膵臓(すいぞう)、腎臓のがんにも利用されている。

 小川院長は昨年4月、加古川医療センターに着任。最新の放射線治療機器がある神戸低侵襲がん医療センター(藤井正彦院長)で同11月から乳がん治療を始めた。抗がん剤も併用しながら今年3月までに4人に実施し、「がんが消え体力の消耗も少ない」(40代女性)などと評価されているという。従来の放射線や抗がん剤による治療費に加え、1回数百円の注射計5回分で済む。来年中に加古川医療センターでも始める意向。

 神戸大医学部出身の小川院長は「この治療法を世界に発信するため兵庫県に戻ってきた。安価で容易なのでぜひ普及させ、多くの患者を救いたい」と話す。神戸低侵襲がん医療センターTEL078・304・4100

(金井恒幸)

 【KORTUC(コータック)】 小川恭弘・県立加古川医療センター院長によると、大阪医科大(大阪府高槻市)、長崎県島原病院(長崎県)、東京放射線クリニック(東京都)などで多数の実施例がある。小川院長は日本増感放射線療法KORTUC研究会の会長も務める。

医療ニュースの新着写真
医療ニュースの最新

天気(9月26日)

  • 28℃
  • 24℃
  • 50%

  • 28℃
  • 22℃
  • 60%

  • 29℃
  • 23℃
  • 70%

  • 29℃
  • 23℃
  • 50%

お知らせ