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マウスの腸の微絨毛(下から上へ伸びる複数の帯状のもの)にある黒い点が、腸炎を防ぐタンパク質「SAP-1」(神戸大提供)
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マウスの腸の微絨毛(下から上へ伸びる複数の帯状のもの)にある黒い点が、腸炎を防ぐタンパク質「SAP-1」(神戸大提供)

 激しい腹痛や下痢などを伴う難病のクローン病や潰瘍性大腸炎の発症を防ぐ鍵となるタンパク質を、神戸大の研究グループが世界で初めて確認した。このタンパク質が発症を抑止する仕組みの一端も解明。予防薬や治療薬開発への貢献が期待できるという。研究成果は米科学アカデミー紀要電子版に掲載される。(藤森恵一郎)

 同大大学院医学研究科の的崎尚(たかし)教授と村田陽二准教授らの研究グループの成果。

 クローン病や潰瘍性大腸炎は、腸の粘膜に慢性的な炎症や潰瘍が生じる原因不明の病気で、ともに医療費助成対象の「指定難病」。国内では20~30代を中心に発症し、患者数は合わせて約20万人に上るとされる。炎症を抑える薬はあるが、根本的な治療薬はまだ開発されていない。

 的崎教授らは以前、腸の内側を覆う腸上皮細胞の表面にある「微絨毛(じゅうもう)」という細かな突起から「SAP-1」というタンパク質を発見していた。今回、その機能を調べるため、マウスの腸上皮細胞からSAP-1を除去したところ、腸炎の発症率と重症度が著しく高まることを確認した。

 さらに、SAP-1が、同じく微絨毛にある「CEACAM20」というタンパク質の機能を抑えることで、腸炎の発症を防いでいる可能性が高いことも判明したという。

 研究を主に進めた村田准教授は「SAP-1やCEACAM20の機能を制御する化合物の考案が、新規の薬の開発につながると期待している。創薬に向けた研究を進めたい」としている。

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