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人のES細胞から作った下垂体のもとになる組織(中央のリング状のもの)(名古屋大提供)
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人のES細胞から作った下垂体のもとになる組織(中央のリング状のもの)(名古屋大提供)

 理化学研究所多細胞システム形成研究センター(神戸市中央区)と名古屋大のグループは、さまざまな細胞になるとされるヒトの胚性幹細胞(ES細胞)から、脳の下垂体の組織をつくることに成功したと、14日発表した。下垂体がないマウスに移植し治療することに世界で初めて成功。下垂体の機能が低下すると血圧低下や意識障害、不妊などの症状を引き起こし、命にも関わるが、8年後をめどに臨床研究として移植を始めたいという。

 同日の英科学誌電子版に掲載された。グループは2011年にマウスのES細胞で下垂体の再生に成功しており、それに続く成果。受精卵を壊して作るES細胞は倫理面の問題があるため、臨床応用の際には、体細胞から作る人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使う方針。

 下垂体は頭部の中央に位置し、ヒトでは直径1センチ程度。様々なホルモンを制御する司令塔ともいうべき働きをしており、「下垂体機能低下症」は厚生労働省の指定難病となっている。グループは人のES細胞を約1カ月培養して下垂体のもとになる組織を作った。さらに1~2カ月培養し、ホルモンを分泌する6種類の細胞の作製に成功した。

 このうち生命維持に関わるホルモンの生成を促す副腎皮質刺激ホルモンを分泌する細胞を、下垂体を除いたマウスに移植した結果、ホルモンは正常に分泌され、運動量も回復。実験開始から10週の時点で、下垂体がないマウスは12匹全てが死んだが、移植したマウスは8匹中7匹が生存していた。

 同センターの大曽根親文(おおぞね・ちかふみ)リサーチアソシエイトは「下垂体機能低下症の患者の体細胞から下垂体を作り、病気の解明や新薬開発にも役立てたい」と話す。(金井恒幸)

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