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レンズの中央部に女性の姿が投影された眼鏡型端末。翻訳された文字はここに表示される=神戸市中央区京町、神戸デジタル・ラボ(撮影・後藤亮平)
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レンズの中央部に女性の姿が投影された眼鏡型端末。翻訳された文字はここに表示される=神戸市中央区京町、神戸デジタル・ラボ(撮影・後藤亮平)
翻訳アプリを搭載した眼鏡型端末(撮影・後藤亮平)
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翻訳アプリを搭載した眼鏡型端末(撮影・後藤亮平)
ランニングのトレーニングアプリと連動してペース配分などを教えてくれる腕時計型端末=神戸市中央区港島中町7、アシックス(撮影・笠原次郎)
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ランニングのトレーニングアプリと連動してペース配分などを教えてくれる腕時計型端末=神戸市中央区港島中町7、アシックス(撮影・笠原次郎)

 「IoT(アイオーティー)」(Internet of Things)と呼ばれるIT技術が、身の回りに浸透し始めてきた。聞き取った外国語を自動翻訳する眼鏡や、仮想のすご腕スポーツトレーナー…。画期的なサービスを生み出すビジネスの新潮流としても注目されるIoTの世界を、兵庫県内の企業の動きから探った。(西井由比子)

 「ニイハオ」。中国人観光客がホテルのフロントで話しかける。眼鏡をかけた担当者の目には日本語で「こんにちは」と見える-。

 IT関連の神戸デジタル・ラボ(神戸市中央区)が開発したのは、眼鏡型端末用の音声翻訳アプリだ。眼鏡内のマイクで声を拾い、翻訳してレンズに表示する仕組みだ。

 日英中韓の4カ国語に対応し、今春にも販売を始める。訪日観光客が急増する中、ホテルや飲食店、商業施設などから引き合いがあるという。

 開発担当者が胸を張る。「世界中の人がこの眼鏡をかけたら、母国語で話しながら会話が成立する。そんな未来も夢ではありません」

■専属トレーナー

 IoTが既に浸透しているのが、スポーツの分野だ。

 アシックス(同)が2011年に提供を開始したランニングのトレーニング計画管理アプリ「マイアシックス」。腕時計型端末やイヤホン型端末を身に着けて走れば、スマートフォンと連動して的確なペース配分などを教えてくれる。世界で100万を超える人が使っている。

 「利用者のトレーニング目標達成率は70%超。専属トレーナーについてもらっても、なかなかこうはいかない」と同社。

 ダンロップスポーツ(同)が日本国内の販売権を持つ仏ブランドのテニスラケット「バボラプレイ」は、センサーを内蔵する。ストローク数や球種、打点などのデータをグラフ化し、プレーの改善につなげる。ネットを介せば、世界中の利用者とのデータ比較や順位競争も可能だ。

■コーヒーマシン

 「故郷のお母さんも今コーヒーを楽しんでいますよ。電話をかけてみましょうか」-。

 ネスレ日本(同)は、家庭・オフィス向けコーヒーマシンと人型ロボット「Pepper(ペッパー)」がつながる未来を描く。マシンの利用状況を常時把握し、ペッパーを通じてさまざまなサービスの提供を検討。今秋以降、通信機能を搭載した新マシンを発売する計画だ。

 高岡浩三社長は「メーカーがメーカーであり続けていてはいけない時代だ」と強調する。「モノを販売して終わり」の製造業から、その後の使用も含めてきめ細かく対応するサービス業への拡大を掲げる。

【業種の垣根越え連携盛ん】

 あらゆるモノにセンサーを搭載し、インターネットを介して自動認識、計測、制御を行う「IoT(アイオーティー)」。社会を支えるインフラや産業機器、身の回りの家電、自動車から果てはヒトの臓器まで、2020年には世界中の250億個ものモノがネットにつながる-との予測がある。

 車の自動運転など、かつてSFで描かれた世界が現実のものになろうとしている。その陰では業種の垣根を越えた企業間の連携、買収の動きが活発化している。

 アシックスは今月中旬、ランニング管理アプリを運営する米国企業の買収を発表。IT関連企業の買収は初のことだ。同アプリの利用者は全世界で3300万人。今後、このアプリを活用して消費者の声を直接吸い上げ、商品企画、効率生産、電子商取引の拡大につなげたい考えだ。

 サービス業を取り込み、進化を遂げようとする製造業。そのうねりは「第4次産業革命」とも称される。

 現在、世界のIoTをリードするのは、ドイツと米国。ドイツは生産現場、米国は製品のネットワーク化に重きを置き、革新を進めている。両国に後れをとっているとされる日本。ものづくり立国の巻き返しが急がれる。

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