くらし
改正貸金業法施行から1カ月 債務整理相談が急増
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消費者金融などからの多重債務問題解決を目指し、貸金業者の貸付残高を年収の3分の1に制限する総量規制や上限金利の引き下げなどを定めた改正貸金業法が、完全施行されてから1カ月が過ぎた。消費者金融の利用者のうち700万人以上が新規借り入れができなくなる“6月危機”が懸念されたが、大きな混乱は今のところ見られない。ただ、つなぎ融資のためにヤミ金に手を出してしまう危険性は残っており、楽観できない状況だ。(文化生活部 黒川裕生)
「借り入れを断られた。何とかならないか」。6月下旬、多重債務者を支援するNPO法人「神戸あすひらく会」(神戸市長田区)の事務所に、60代の女性が駆け込んできた。知人に返済するため融資を申し込んだが、2社から計80万円を借りていることを理由に拒否されたという。女性は年金暮らし。収入は夫の分も合わせて180万円程度で、改正法に照らすと新規借り入れはできない。厚生労働省の外郭団体が多重債務者向けに年金を担保に低利子で貸し付けている制度があることを伝えた。
「これまでなかったような相談」と事務局長堀之内美義さん(71)は驚く。活動は10年に及ぶが、借入先を探した例は記憶にない。「私たちが目指すのは相談者の生活再建を支援すること。改正法は、資金繰りに困っている人をどうするのかという視点に欠ける」
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個人が資金繰りに窮した場合、(1)任意整理(2)特定調停(3)個人再生(4)破産‐など債権整理の方法がある。近畿財務局(大阪市)に寄せられる相談は5月の67件から6月は172件と急増しており、債務整理にまつわる問い合わせが目立つ。
返済期限が迫り、ヤミ金から借り入れる人も少なくないとされる。堀之内さんは「多重債務者は借金を借金で返す自転車操業の人が大半。わらにもすがる思いで、違法な業者に接触する人もいる」と危ぶむ。
改正法の不備も見受けられる。専門家が指摘するのはクレジットカードに付いているショッピング枠の現金化だ。購入した商品を業者が買い取り、カード所有者には現金が渡されるという仕組みで、総量規制の対象外。例えば換金率97%で300万円の枠を利用すれば、現金291万円を手にできる。「法律をかいくぐる形で手にした現金を当座の返済に充てている可能性も考えられる」とある弁護士は話す。
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貸す側にも波紋が広がっている。金利引き下げに伴い、つなぎ融資からの撤退や廃業も見受けられるという。金融庁によると貸金業者の登録数は1986年がピーク。近年は過払い請求による経営難などで減少が著しい。法改正でさらに貸付先が絞られるため、拍車がかかることは必至だ。兵庫県内の登録業者は今年5月末で155。ピーク時(86年)の15分の1。資金力のない中小業者の廃業が目立つ。
(2010/07/21 11:10)

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