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くらし

天文ファン、2012年は“ゴールデンイヤー” 

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 2012年は「金」がつく天文現象がめじろ押しで、天文ファンの間では“ゴールデンイヤー”と表現される。5月21日の「金環日食」を皮切りに、6月6日には「金星の太陽面通過」、8月14日には「金星食」が日本で観測できる。中でもあと100日を切った金環日食は、県内で見られるのは実に282年ぶり。子どもの理科離れが指摘される中、教育現場は「格好の教材」と注目している。(明石総局・中島摩子)

 「金環日食」は太陽の大部分が月で隠れ、太陽の縁だけがリング状に輝く神秘的な現象。「太陽面通過」では太陽の前を金星が横切る様子が観測でき、「金星食」は金星を月が隠す。

 明石市立天文科学館学芸員の井上毅さん(43)は「一つだけでも『目玉』といえる現象。それが1年間に三つもそろうなんて、またとない偶然の巡り合わせ」と強調する。

 県内で次に金環日食が観測できるとされるのは2041年(県北部の一部地域)、金星の太陽面通過は105年後の2117年という。天文ファンならずとも、今年は空を見上げて胸躍る1年といえそうだ。

   ☆   ☆

 今回の金環日食が注目を集めるのは、観測できる帯状の地域(金環日食帯)が九州南部から近畿南部、関東まで広範囲に及ぶことにある。大都市が含まれ、日本天文協議会・金環日食日本委員会は「日本の人口の約3分の2が住む地域で観測できる。国内史上、最も多くの人が見られる金環日食」とPRする。

 県内で金環日食帯に含まれるとみられるのは、淡路島や神戸、阪神間など。姫路市など帯の外でも深い部分日食になり、欠け方も劇的に変化するという。

 さらに、明石市は金環日食と部分日食の境となる「限界線」に位置する。限界線周辺では場所によって、金環日食▽部分日食▽一部が数珠のようになる「ベイリー・ビーズ」‐の3種類が観測できる見通し。

 市民から「観測隊」を募っている同市立天文科学館は「集まったデータは今後の日食の基礎データになる。限界線周辺での大規模観測は世界でもほとんど例がなく、学術的に重要」とする。

   ☆   ☆

 文部科学省は金環日食を「自然や科学への関心を深める好機」と位置付ける。今月3日、正しい観測方法などを解説する文書を各都道府県教委などに送付。金環日食が始まるのは午前7時半前後のため、登校中に直接太陽を見て目を痛めたりしないよう配慮も求めた。

 埼玉県所沢市では、全小中学校で始業前の観測会を計画している。「生涯に一度の機会。新学習指導要領では『体験』が重視されている。うまく活用したい」と同市教委の担当者。

 県内でも、西はりま天文台公園(佐用町)が地元教委や学校と協議を進めるほか、明石市の一部の学校も観測会を検討している。同市立天文科学館の井上さんは「二つの天体が重なるダイナミックな体験。地球にいながら宇宙を感じることができるはず。『不思議だな』と思うことが科学の第一歩」と話している。

(2012/02/21 15:06)

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