姫路・西播磨
地域通貨を題材に児童書出版 相生の作家・尾崎さん
「まちづくりについて、自分が何をできるか考えてみて」と話す尾崎さん=相生市内 |
住民が互いに助け合うまちづくりを伝えよう-と、相生市の童話作家、尾崎美紀さん(60)が「地域通貨」を題材にした児童書を出版した。小学生の達也の家にやってきた祖父の活動が、まちを変えていく「ちょっと源さんお借りします」で、少年の視点から「ご近所力」の大切さを描く。
(神谷千晶)
尾崎さんは一九八五年、「まさかのさかな」で第二回ニッサン絵本と童話グランプリを受賞。詩集に「らいおん日和」などがある。
「ちょっと源さん-」は、主人公の達也の祖父源さんが、同居するため田舎から引っ越してくる場面から始まる。妻に先立たれた源さんは当初、不慣れな町で寂しさを抑えきれない。しかし次第に、大工の腕を生かして近所の人々とつながり合い、達也たち家族はまちづくりについて考え始める。
その活躍が話題となり地域通貨が誕生。高齢者は昔話や料理を教え、子どもはごみ出しや買い物を代行するなど助け合い、交流を深めていくストーリーだ。
県立大環境人間学部の岡田真美子教授らが推進する姫路の地域通貨「千姫」などを参考にした。
舞台は、ニュータウン開発から数十年を経て、一人暮らしの高齢者が増え、今や“オールドタウン”と化した町。尾崎さんは、相生や大阪の新興住宅地の変化に心痛めたことがきっかけといい、隣人の様子がわからない、自治会がうまく機能しないなど、町の変容がリアルに描かれている。
尾崎さんは「高齢社会を迎え、お年寄りの力や知恵がまちづくりには欠かせない」といい、「『まちは一つの大きな家族だ』と次世代に伝えたい」と話している。
A5判、百二十八ページ。千二百六十円。文研出版TEL03・3814・6277
(2/12 10:31)

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