社会
不況の今こそ「就農」! 神戸の相談会に求職者続々
不況の今こそ農業を。相談者でにぎわう就農セミナー=神戸市中央区、兵庫県農業会館(撮影・内田世紀) |
緊急雇用対策の一環として、兵庫県と県農業会議などが十五日、神戸市内で開いた就農希望者向けのセミナーと相談会に、求職者約三百人が詰め掛けた。急激な景気の悪化で会社の受注が減り、給料の支払いも滞る。今後の食糧需要や将来性をにらみ「不況に翻弄(ほんろう)されない生活を」と農業に希望を託す。(小西博美、石沢菜々子)
農業分野に雇用の受け皿をと企画し、就農までの手順や支援策の説明のほか、農業法人など十三団体が個別相談に応じた。
「何とかして食べていかないと」。加古川市の男性会社員(50)は切実な思いで訪れた。建設会社に勤め三十年。不況で急激に仕事がなくなり、今年に入り全く給料が出ない。「我慢の限界を超えている」と嘆く。
今後の人生を考えたとき、頭をよぎったのが農業だった。「食は生活の基本。農業は(不況でも)なくならない。自分で食べるものを作り、稼ぐ仕事がしたい」と、いくつものブースを渡り歩いた。
加古川市の橋本将司さん(33)は、父親とともに機械整備業を自営する傍らイチゴ栽培を手掛ける。大手メーカーの下請けを続けてきたが、不況の影響でキャンセルが出るなど先が読めなくなった。
父と相談し、今後は農業に力点を置こうと決心。イチゴ栽培を拡大することにした。「食べ物は私たちと切っても切れない。農業があるからこそ、食べていける」と力を込めた。
県農業会議によると、昨年十月ごろから就農の相談や問い合わせが増え、一月は通常の二倍程度の相談があったという。しかし、年間約二百件の相談のうち、実際の就農は十件程度。同会議は「初期投資や土地の確保など農業は甘くないが、支援策もあるので定着する覚悟で来てほしい」と話す。同会議TEL078・361・8110
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