社会
売り時逸した 春闘厳しい 東証、一時7千円割れ寸前
証券会社の前で足を止め、株価ボードの動きに見入る投資家ら=3日午前、神戸市中央区三宮町1(撮影・山口 登) |
東京株式市場の日経平均株価が、バブル崩壊後の最安値を一時下回った三日午前、兵庫県内の投資家や経営者らの間には「ここまで景気が悪くなるなんて」と不安が広がった。春闘が本格化する中、労働組合は企業の業績悪化で賃上げ交渉への影響を懸念。求職者は改善の兆しが見えない雇用環境に焦りを募らせた。
神戸・三宮の証券会社の株価ボードには、下がっていく株価に見入る個人投資家が目立った。
「ここまで景気が悪くなるなんて想像もせず、売るタイミングを完全に逸してしまった」と神戸市東灘区の会社役員の男性(63)。「株を所有しているメーカーは輸出が多く、円高が響いた。株価は昨年二月からじりじり下がり、今では三分の一」と嘆いた。
企業が保有する取引先などの株も大半が値下がりした。東証一部上場のボルトメーカー、日亜鋼業(尼崎市)の幹部は「営業努力でようやく確保した利益が(株安で)削られる。(決算を確定させる)年度末に向け、さらに下落しないか心配だ」と話す。
労務分野を扱う経済団体、県経営者協会の池田志朗会長は「受注が急減する中、精いっぱい雇用の維持に努めているのが企業の現状。(春闘は)より厳しいものになるだろう」と予想。
労組側は賃上げ交渉だけでなく、雇用環境への影響も懸念する。西宮・芦屋地域労働組合総連合の坂(ばん)好夫議長(61)は「働けなくなると消費が減り、結局企業の業績に影響する。体力のある大企業がまず雇用維持に努めなければ」と求めた。
求職者であふれるハローワーク姫路(姫路市北条)。一年前までトヨタ自動車の孫請け工場で派遣社員として働いていた同市内の男性(40)は「株価の急落でまた採用枠が狭くなる。お先真っ暗だ。製造業中心に仕事を探しているが、年齢が壁になり、面接さえ受けさせてもらえない」と深刻な表情を見せた。
(3/3 14:18)

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