社会
ミャンマーの被災地に保健所と井戸 兵庫の医師ら建設
井戸が完成し、歓迎の子どもたちに囲まれる鵜飼卓理事長(中央右)ら=1月31日、ミャンマー・メザリ村(いずれも災害人道医療支援会提供) |
完成した簡易保健所=同日、ミャンマー・チョエチャンチャンピャ村 |
兵庫県災害医療センター(神戸市中央区)顧問の鵜飼卓(たかし)医師(70)=西宮市=が理事長を務める特定非営利活動法人(NPO法人)「災害人道医療支援会」が、昨年五月の大型サイクロンで死者約十四万人を出したミャンマーの被災地に、簡易保健所一カ所と井戸九基を建設した。現地では、被災による水不足と衛生状態悪化が今も深刻で、住民に歓迎されたという。(石崎勝伸)
鵜飼理事長らは、同国の軍事政権が国外からの救援を受け入れようとしない中、サイクロン直撃の約三週間後、被災地に入った。以前にマラリア予防に取り組んだ際の人脈と、NPOの身軽さを生かし情報収集。その後もメンバーの医師や業務調整員らが現地を訪れ、被災者の要望を探った。
被害が大きかった同国南西部の村々では、医療施設の多くが倒壊し、飲料用の井戸や貯水池も高潮で海水が混じったり、遺体や動物の死骸(しがい)で汚染されたりして使えなくなった。住民らは慢性疾患の悪化や下痢などの症状に苦しんでいた。
そこで同法人は昨年八月、難民らを支援する国際移住機関(IOM)と共同で簡易保健所の建設を決定。さらに周辺で計九基の井戸を設けることにした。
今年一月二十七日-二月五日には、鵜飼理事長ら四人が被災地を訪れ、完成した井戸を視察し、簡易保健所の開所式典に出席。約四百人の村民が歓迎してくれたという。保健所には看護師、保健師の役割も兼ねる現地の助産師が常駐し、公衆衛生や簡単な医療処置などを担う。
鵜飼理事長は「村の人たちは素朴で、私たちが訪れると皆、親しげな表情を見せてくれるが、まだ立ち直ったわけではない。今後も見守り続けたい」と話している。
(3/4 14:32)

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