社会
法律事務職員もスキルアップ 裁判員制度控え
イラスト作成のためのパソコン操作を学ぶ事務職員と弁護士=神戸市中央区東川崎町1、神戸合同法律事務所 |
五月二十一日の裁判員制度施行を前に、兵庫県内の法律事務所が、弁護士業務を補助する事務職員の技能向上に力を入れている。日本弁護士連合会は昨年「事務職員能力認定制度」を新たに設け、全国の弁護士会が勤務歴二年以上の職員を対象に受験のための研修を始めた。法律知識の習得やパソコン技術など、裁判員制度下で多忙となる弁護士側の要望に添った格好だ。
「強調したい文面を考えて下さい」。二月中旬、神戸市内の法律事務所で、勤務時間を終えた十二人の事務職員が、パソコンでのイラスト作りを学んだ。講義費用は事務所負担。弁護側の冒頭陳述を裁判員に一目で分かるようにするため、パソコンが苦手な弁護士に代わり、事務職員がイラストを作るのが狙いだ。
研修を企画した神戸合同法律事務所の潮見章事務局長(59)は「公判での立証に組織で臨む検察側に対し、弁護側の準備遅れは明らか。忙しい弁護士のサポート役に職員の存在が欠かせない」。
こうした動きは、司法制度改革が叫ばれた二〇〇〇年ごろから加速。職場での位置づけがあいまいだった事務職員が研修制度を日弁連に求め、昨年、創設に踏み切った。法曹人口増による競争の激化で、効率化のため一部の仕事を事務職員に肩代わりする弁護士が増えたことも背景にある。
認定制度向けの研修として県弁護士会は、昨年十月から民事訴訟実務などの講座を毎月開講。事務職員百人以上が参加する一方で、個人事務所の弁護士は、研修に消極的な場合もあるという。
「お茶くみ、コピー取り」という事務職員のイメージは過去のものに。大阪大法学部の仁木恒夫准教授(裁判学)は「生き残りをかける弁護士に事務職員とのチームワークは重要。裁判員制度を機に、事務職員の仕事の幅が広がる可能性もある」と指摘している。(飯田 憲)
(3/30 15:25)

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