社会
点字なしのねんきん定期便 視覚障害者へ配慮不足
公的年金の現役加入者約七千万人に年金記録の確認を促すため、三日から発送が始まった「ねんきん定期便」について、「視覚障害者への対応が不十分」との声が当事者らから上がっている。封筒に記載内容を音声変換する「音声コード」が印刷されているが、中身の書類にはなく、点字は封筒にも書類にもない。将来の年金額にかかわる重要な書類だけに、改善が求められている。(石崎勝伸)
社会保険庁は、二〇〇七-〇八年の「ねんきん特別便」送付時の指摘を受け、定期便では封筒に音声コードを印刷し、目印の切り込みを底面に入れた。専用の機器に読み取らせると、定期便であることや専用ダイヤルの番号が音声で流れる。中身の加入履歴などには「個別データのコード化は現段階では技術的に難しい」(同庁)として印刷されなかった。
これに対し、音声コードの普及を目指す「日本視覚障がい情報普及支援協会」(東京)は「加入履歴などは家族やヘルパーにも知られたくないという人が多いはず。技術的な課題は社会保険庁自らが支援し、解決すべきだ」と指摘する。
さらに全国の視覚障害者約三十一万人のうち、専用機器を持つのは一万人余り。財団法人「兵庫県視覚障害者福祉協会」の職員で、自らも全盲の仁枝玲子さんは「せめて封筒に点字を併記してほしい。書類の点字化も、障害者年金の受給者に絞ればコスト的に可能では」。視覚障害者支援のNPO法人「神戸アイライト協会」の森一成理事長は「テレビやラジオのCMでも定期便の送付をもっと知らせるべきだ」と話す。
同庁は「今後、改善に向け、技術面とコスト面を研究したい」とする。
(4/4 11:28)

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