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社会

罪犯した知的障害者の社会復帰支援 西宮の男性 

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「公的福祉施策も活用し、障害者の再犯を防ぎたい」と話す原田さん=西宮市津門大塚町1(撮影・山崎 竜)

 障害者の就労を支援する相談支援センター「であい」(西宮市)の原田和明所長(46)が、弁護士や社会福祉士とチームを組み、罪を犯した知的障害者の社会復帰という難題に挑んでいる。五年間で三十人と向き合い、警察の取り調べから裁判を経て、地域に戻るまで付き添ってきた原田さん。「更生には、公的福祉による援助が必要だ」と訴える。(飯田 憲)

 二〇〇七年の厚生労働省研究班調査によると、全国で知的障害か知的障害を疑われる受刑者四百十人のうち、公的な相談、指導、援助を受けることができるよう都道府県知事が交付する「療育手帳」を持っていたのは、わずか6%だった。犯罪動機は「生活苦」が37%を占め、再犯者の半数は帰る場所がなかった。

 刑務所を出た人の更生施設などに二十年近く勤めた原田さんも、身寄りがなく、路上生活が嫌で刑務所に入ろうと罪を重ねる障害者らを目の当たりにしてきた。

 取り組みを始めたきっかけは、知的障害のある二十代の男性との出会い。自転車に火を付け逮捕され、初めて起訴された。面会で「消防車が見たかった」と動機を話す姿に、短期間で再犯に及ぶ危険を感じずにはいられなかった。

 警察の男性への取り調べに、弁護士とともに対応。福祉施設の確保や成年後見など「支援計画書」を作った。この受け入れ体制を評価した裁判所は、執行猶予付きの判決を言い渡した。

 その後、社会復帰を支援した知的障害者の再犯はゼロに近い。原田さんは「罪の意識が薄いまま事件を起こすケースが多いが、施設に入所させるなどして孤立を防ぐことで、再犯はなくなる」と福祉の役割を強調する。

 取り組みに対し「罪を軽くさせるだけで、被害者への配慮が足りない」との批判もあるが、活動は徐々に浸透。福祉関係者のほか、警察からも知的障害者の事件処理について相談が増えている。

(4/10 10:14)


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