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社会

兵庫発の支援、新段階に 四川大地震1年 

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被災地では、地震で壊れた住宅や街並みを保存する取り組みもみられる=今年3月、四川省〓川県(人と防災未来センター提供) (注)〓はさんずいに文

 九万人近い死者・行方不明者を出した中国・四川大地震から十二日で丸一年。阪神・淡路大震災を経験した兵庫からは多くのボランティアや研究者、自治体職員らが現地を訪れ、海外の被災地としては“史上最大級”の支援体制がとられた。今、被災地はインフラ復興が進む一方、生活再建や心のケアなどの課題が残る。兵庫発のプロジェクトも本格始動し、支援は新たな段階に入った。

 十日、特定非営利活動法人(NPO法人)「CODE海外災害援助市民センター」(神戸市兵庫区)は、スタッフの吉椿(よしつばき)雅道さん(41)を四川省に派遣した。

 同法人は、省北東部の北川県香泉郷に七つの「総合活動センター」を建設することで四月、地元政府と合意した。香泉郷は人口約七千八百人の農村。同センターは診療所などを備え、交流の場にもなる。今回の派遣で、建設に向けた具体的な協議が始まる。

 吉椿さんは地震直後からがれきの片付けなどに取り組んできたが、「地震で借金を抱え、病気になっても医療費を払えない人がいる」と憂える。現金収入が見込める出稼ぎ仕事も減るなど、世界的な不況の影響も出ており、センターを身近な医療機関として活用してほしいという。

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 被災者は四千六百万人以上といわれ、心のケアは長期的な課題だ。国際協力機構(JICA)兵庫などの支援で、中国政府などが六月に始めるのが「こころのケア人材育成プロジェクト」。現地や兵庫での研修を通じ、携わる人材を育てる。

 まず六月十日、中国政府幹部や専門家らが神戸を訪れ、取り組みを学ぶ。JICA調査団メンバーの冨永良喜兵庫教育大大学院教授(臨床心理学)は「地震の規模に比べ、心のケアに対応する人材が少ない。中国側も力を入れ始めた」と語る。

 NPO法人「阪神高齢者・障害者支援ネットワーク」(神戸市西区)の黒田裕子理事長は、昨年六月から北京師範大のボランティア研修で指導にあたり、教え子らと一緒に被災者訪問を行ってきた。「ボランティア文化の根付きはこれから。将来の見通しが立たず、不安を感じる被災者が増える今こそ『寄り添う心』が大事と伝えたい」

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 一方、兵庫では「四川から学ぼう」との声も出ている。

 人と防災未来センター(神戸市中央区)の紅谷昇平主任研究員は「(近い将来発生が懸念される)東南海・南海地震でも、同程度の山間地被災が予想され、孤立対策など備えに教訓を取り入れるべきだ」と指摘する。

 現地では倒壊した建物をそのまま保存・公開したり、犠牲者の遺族が生計を立てるため、震災の写真を売ったりする姿も見られるという。紅谷研究員は「現場保存は防災教育の面で意味がある」と話す。(岸本達也)

(5/12 09:34)


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