社会
犬と飼い主なぜそっくり? 関学大教授が仮説
中島定彦教授の研究室。本棚には、犬と飼い主の共通性を取り上げた書籍も=関西学院大(撮影・田中靖浩) |
世はペットブーム。飼い主と飼い犬のそっくり“カップル”を集めた写真集が人気を集め、そっくり度を競うコンテストが開かれるほどだ。両者の相似をめぐっては「一緒に暮らしているから」との通説があるが、関西学院大(西宮市)の中島定彦・文学部教授(動物心理学)が実験結果を基に「(飼い主が)自分と似た犬を無意識に選ぶ」との仮説を発表。注目を集めている。(広畑千春)
首をかしげた少女とパピヨンの子犬、シーズーを抱いて目尻を下げる初老の男性…。写真集「愛すれば、そっくり」(ワック)には、ほほ笑ましい64組の写真が収められている。
ペットフード会社のシーザーはそっくり度を競うコンテストを開催。上位入賞者の写真は広告にも利用されている。
「愛すれば-」を撮影した東京都のフリーカメラマン福田文昭さん(62)は「今や、犬は子どもや孫と同じ存在。長い時間と生活空間を共有している飼い主と犬は『似た者夫婦』と同じように、自然と表情が似てくるのでは」と推測する。
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これに対し、中島教授は「飼い主が自分に似た犬を無意識に選んでいる」との仮説を、英国の学術誌に掲載した。
中島教授の実験は、日本人40人とその飼い犬(純血種)40匹の写真を使用。飼い主と面識のない学生に「正しい飼い主と犬のペア」を選ばせた。正解が最多だったペアと最下位のペアを比べると、75%が前者を「似ている」と答えた。
また、正しいペア20組と間違ったペア20組をグループにし、どちらが正しいか選ばせると62%が正解。「似ているペア」を選ばせると67%が正しいペアを選んだ。正しいペアと似ているペアは、ほぼ一致していた。
以上から、学生は似ていることに注目してペアを選んでいると推測され、中島教授は「客観的に飼い主と飼い犬は似ているといえる」と断定。飼育期間が短くても同じ結果だったため、「次第に似てくるというより、自分の顔と似た犬を選択した可能性がある」とした。
その理由として中島教授は「人間は見慣れたものに好感を抱く性質があるためでは」と推論。今後は「社交的」「誠実」など人の性格が、犬にも当てはまるか検証し、「飼い主と犬は性格も似ている」という俗説について研究するという。
(6/6 15:08)

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