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社会

過疎集落の古民家、宿泊施設で再出発 篠山 

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建築当時の趣を再現した室内=いずれも篠山市丸山

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どっしりとしたかやぶき屋根の古民家が立ち並ぶ集落。奥の3棟が宿泊施設になる

 山あいに築150年の民家が静かなたたずまいをみせる篠山市丸山の集落に10月1日、空き家を利用した宿泊施設やフランス料理店がオープンする。高齢化などで集落消滅の危機に直面している住民たちが行政と連携し、運営組織を設立。田園が広がり、虫の音が聞こえるかやぶき屋根の暮らしが体験でき、住民たちは「ふるさとの原風景が残る丸山を多くの人に知ってほしい」と願っている。(敏蔭潤子)

 集落は標高793メートルの三嶽(みたけ)のふもとにあり、谷筋沿いに江戸末期に建てられた民家が並ぶ。だが、数年前から住人が亡くなったり高齢化で移転したりし、12戸のうち7戸が空き家になった。現在は5戸に19人が暮らしている。

 「家が朽ち果てていくのはしのびない」。全住民が市職員らと連携し、昨年8月からワークショップを開催。ショップ経営者や工業デザイナーたちの意見を取り入れながら集落の長所、短所を分析した。「暮らしの息づかいが感じられる素朴さ」「歩くのに程よい距離感」「かやぶき屋根のどっしりとした存在感」などの魅力を生かし、3軒を借り受け、宿泊施設とすることを決定。国の「ふるさと原風景再生マネージメント事業」に選定された。

 建物は建築当時の味わいを大切にするため、天井板を取り払い、黒光りする太いはりや、わらや竹の屋根裏部分が見えるよう工夫。ちゃぶ台や家庭で使っていた花器などを持ち寄った。虫の音が聞こえ、大きな窓の浴槽からは雲がゆっくりと流れる。それぞれに台所があり、昔ながらのかまど「おくどさん」や「五右衛門風呂」をしつらえられた棟もある。

 経営を担うのは、集落と同市出資の社団法人「ノオト」が設立した「有限責任事業組合丸山プロジェクト」。初めて接客することになる住民たちは、開業を前に旅館経営者や観光カリスマらを招き、研修を積む。「家具は新しいものではなく、使いこんだものの方が建物に溶け込むそうです。タオルの色まで指摘されました」と自治会長の佐古田直實(さこだ・なおみ)(66)さん。ゆったりとしたソファを置き、「心ゆくまで、静かな時間を楽しんでほしい」と話す。

 土蔵を利用したフランス料理店「ひわの蔵」も10月10日にオープン予定。神戸・北野の「ジャンティ オジェ」オーナーシェフの高柳好徳さん(47)が出店した。

 宿泊は1棟につき、1組8人まで。4人までが1泊朝食付き6万円、5人目から1人につき6000円追加。朝食は集落内のそば店「ろあん松田」がもてなす。「NPO集落丸山」TEL079・552・5770

(2009/09/26 15:48)


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