社会
老朽消えゆく旧国鉄車両 京阪神、山陰結ぶ特急
城崎の温泉街を走る特急「はまかぜ」=豊岡市城崎町湯島(撮影・大山伸一郎) |
クリーム色に赤のライン。少なくなった「国鉄カラー」の特急「北近畿」=尼崎市潮江1(撮影・田中靖浩) |
「はまかぜ」「北近畿」など、京阪神と山陰地方を結ぶJR西日本の特急車両が、2011年春から相次いで新型車両に置き換えられる。30〜40年前の旧国鉄時代に製造された車両で老朽化が進み、安全性向上というニーズにも応えるため引退が決まった。(足立 聡)
神戸市東灘区のJR甲南山手駅。週末の午前、ホームの両端はカメラを抱えた鉄道ファンでにぎわう。車両を撮影しやすいためで、目当ての一つが、同駅を通過するはまかぜだ。
はまかぜは大阪-香住、浜坂、鳥取間を播但線経由で結ぶ。使われている車両は「キハ181系」。初号車は1968(昭和43)年の製造で、500馬力のエンジンは山岳地帯に強く、東北や山陰地方などで活躍した。はまかぜとしては82年から運行。現役特急のディーゼル車では最古参だ。JR西は26両を保有する。
新型ディーゼル車は、450馬力のエンジンを2基搭載し、最高時速は130キロと10キロ速い。衝突事故に備えて車体の強度を高める。窒素酸化物の排出を約3割抑えるなど環境にも配慮する。
また、「北近畿」(新大阪-城崎温泉)や「文殊」(新大阪-天橋立)など六つの特急に使われているのは、「485系」電車を改造した「183系」。やはり製造から31〜37年の年代物で、更新する。新型の「287系」電車は、正面からの衝撃を吸収する構造にする。まずは46両を取り換え、残る40両も更新を検討中。
◇
旧型車両はJR西のベテラン社員に愛された。「故障は多いが、1両に不具合があっても、連結された他の車両で運行できた」と振り返るのは、同社京都支社の河野勉さん(49)=神戸市西区。今年5月まで9年間、はまかぜの点検・修理を担った。
検査は2日に1回。2人一組で約100分間、エンジンや空気圧縮機などを丹念に調べる。排ガスからすすを出さないように、排気管の清掃には神経を使った。発電機の調子が悪く、2往復している間に修理することもあったが「できたときの達成感は格別でした」。
新型車両はエンジンに吹き込む燃料の調整が電子制御になるなど、点検・修理の方法が様変わりしそうだ。河野さんも「苦労はさせられましたが、愛着がありますね」としみじみ話した。
(2009/11/28 16:29)

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