社会
阪神なんば線開通1周年 神戸と奈良、観光で明暗
20日で開通1周年を迎える阪神なんば線(尼崎‐大阪難波)。神戸・三宮から乗り換えなしに結ばれた奈良ではホテルの宿泊客が増えるなど「新線効果」が続くが、神戸は昨年5月の新型インフルエンザ感染確認以降は低調で、明暗が分かれた格好だ。奈良は平城遷都1300年祭開催でさらなる集客をもくろみ、神戸の観光団体は1周年を記念するキャンペーンを展開するなど巻き返しに躍起だ。
「これまでで最大のヒット商品」。ホテル日航奈良(奈良市)の担当者は喜ぶ。なんば線開通を記念して企画した兵庫県民の室料を半額にするプランは4カ月で約1700人が利用した。
プラン終了後の7月以降も順調で、昨年4月‐今年1月の宿泊者のうち兵庫県在住者が占める割合は2・9%と、前年同期の1・6%から大幅に伸びた。
同ホテルは開通1周年を記念し、19日から最安4000円の兵庫県民限定プランを販売する。
奈良ホテル(同)も、2009年度(10年2月末現在)の兵庫県からの宿泊者が、前年同期の約1・3倍に増えた。
一方、神戸のホテル、観光地の関係者らは複雑な表情を見せる。
神戸港のレストラン周遊船「ルミナス神戸2」を運営するルミナスクルーズ(神戸市中央区)の広報担当者は「開通直後は好調だったが…」と顔を曇らせる。奈良県在住者の利用は09年3月が前年同月比で3割増、同4月は6割増と大きく伸びたが、新型インフルエンザ感染が確認された5月以降は客が戻らず、09年の1年間では前年比3割減と落ち込んだ。
有馬温泉観光協会も「大きな効果はない」と首をかしげる。神戸市内のホテル関係者は「今年は平城遷都1300年祭が開かれる。昨年以上に奈良へ人が流れるのでは」とあきらめ顔だ。
このため、神戸国際観光コンベンション協会は3月中にも、PRキャンペーンを展開する。
一方で、山陽電鉄は好調を維持している。姫路や明石など沿線と奈良方面との行き来は三宮などで乗り換える必要があるが、開通に伴う乗客9万6千人増、1800万円の増収見込みに対し、実際は約11万人増、3千万円の増収となった。
同社は「神戸以西にも足を延ばす人が増えたのでは」とみる。昨年に続き、奈良で山陽沿線をPRするチラシを配るといい、播磨地域と奈良とのさらなる交流活発化への期待が広がっている。
(末永陽子)
(2010/03/15 06:30)

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