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ヤマビル(ヤマビル研究会提供)
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ヤマビル(ヤマビル研究会提供)
兵庫県内のヤマビルの分布図
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兵庫県内のヤマビルの分布図
ヤマビルを運ぶことが多いとされるシカ。神戸市内でも目撃情報が増えている=神戸市北区
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ヤマビルを運ぶことが多いとされるシカ。神戸市内でも目撃情報が増えている=神戸市北区

 山で人や動物の体に張り付き、血を吸うヤマビルが兵庫県内で生息域を広げている。県内の森林組合は、既に姫路市(夢前町)、たつの市、多可町など16市町で生息を確認。動物に付いて移動することが多いとされ、シカの生息域拡大が一因とみられる。専門家は「ヤマビルはシカが運ぶリスクの一つ。早急な対策が必要」と指摘する。(阿部江利)

 県内の森林組合によると、2012年時点の生息域は、但馬、丹波、北播、姫路、西播、淡路地域。西播磨では中国自動車道を越え、南下している。多くの組合は「田畑でも確認されるようになった」としており、姫路市の雪彦山など、人気の登山コースでも血を吸われるケースが相次いでいるという。

 東京の民間団体「ヤマビル研究会」が03年に行った調査では、密度の濃い生息域は朝来市や宍粟市の一部にとどまっており、急速な拡大がうかがえる。

 同会の谷重和会長(70)によると、ヤマビルが確認されている全国33都府県の中でも、兵庫県は生息域が広範囲にわたる地域。拡大の主要因はシカやイノシシの増加といい、「薬剤散布では数が一時的に減るだけ。野生動物を寄せ付けない防護柵の設置や、有害獣駆除による適正管理が欠かせない」と話す。

 兵庫県によると、県内ではシカが生息域を広げており、その数は推定15万頭(10年)。最近では神戸市北区でも目撃されている。猟友会の猟師は「ヤマビルがいるのを確認した」と話しており、既に北区まで分布を広げた可能性もある。地形が複雑な六甲山にシカが入り込むと対策は難しく、県森林動物研究センター(丹波市)は「六甲山は既にイノシシの密度が極めて高く、希少植物の食害など生態系への影響を考えると、ヤマビルそのものより、野生動物対策に目を向けるべきだ」と指摘している。

 【ヤマビル】 ミミズなどの仲間で、体長1・5~8センチ。普段は山道や獣道に近い樹上や地表などにおり、動物が出す二酸化炭素などを感知すると、木から落下したり、地表からシャクトリムシのようにはい上がったりして服や靴の隙間から入り込む。唾液には麻酔成分と血液凝固を妨げる成分が含まれ、血を吸われても痛みを感じないが、止血に時間がかかる。乾燥や塩に弱いが、目立った天敵はいない。

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